
打倒巨人の1番手の阪神。三番・佐藤輝[写真右]と四番・大山[左]を固定し戦えばきっと機能するはずよ[写真=毛受亮介]
大山には四番らしい打者になってほしいよ
あれから10年か……。早いものだ。2011年3月11日、東日本大震災が起きた。テレビに映る残酷な光景に、声も出なかった。あのとき、オレは
オリックス監督の2年目。プロ野球はどうなるのか、そして
楽天はどうなっていくのか。いろんなことが頭の中を駆け巡った。
もちろん開幕は遅れた。それでも何とかこぎつけた。4月29日、楽天の本拠初試合の相手がオリックスだった。空路、仙台に飛んだ。空港からバスでチームは移動。その途中、車窓から見る光景に息をのんだ。車が流され、重なり合っていた。バスの中、誰も話さない。ただぼう然と見つめるだけ。それほどの被害であった。
試合前、星野(
星野仙一、当時楽天監督)さんに会った。「何とか頑張らんとな……」と口にしていたが、それどころではない厳しい現実が、その表情から読み取れた。野球どころではない。星野さんの胸の内は揺れていたに違いない。初めて見た星野さんの苦悩の表情やった。
あれから10年である。今、野球ができる幸せをかみ締め、節目の10年目。新たなスタートであるが、コロナ禍の現状。阪神淡路大震災、東日本大震災を乗り越えたのと同じように、この国難に立ち向かうしかない。野球ができることに感謝し、感動を与える戦いを……と、祈っている。
◎
さてプロ野球はキャンプを打ち上げ、オープン戦に突入。3.26開幕に向け、いよいよ臨戦態勢に入っていく。今シーズン、セ・リーグの注目ポイントは、打倒・巨人に燃える阪神ではないか。オレもキャンプで見て、十分に優勝できる戦力が整ったと判断した。その中でも四番を張る大山(
大山悠輔)と、ルーキー・佐藤(
佐藤輝明)に期待を込める。彼らが働けば、優勝を引き寄せることができる、とオレは考えている。
その大山と話す機会があった。キャンプ終盤、デイリースポーツの企画で対談が実現した。初めてジックリと話したが、実に・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン