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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「岡田世代?の代表格は広島の北別府に巨人の篠塚……。新しい世代も出てきたから野球界を盛り上げてほしいわ」

 

2001年生まれ世代は佐々木朗が3年目で先頭に立っているよな。オレの世代にはあのホーナーもいる。大学時代から知っているから、ヤクルト入団が決まったときは懐かしさも感じたんだが……[写真=BBM]


阪神の救世主やと思う完投に本塁打は見事よ


 久しぶりにスカッとした。5月18日のヤクルト戦(神宮)、テレビでの観戦となったけど、阪神西純矢の完投のピッチング、そしてバッティングに見惚れていたわ。まさに阪神に現れた救世主! それくらい称賛してもいい内容やった。

 何がよかったかといえば、どんどんストライクを先行して、四球で崩れるという心配がまったくなかったところ。球威もあり、コントロールがいい。さらに気持ちが充実している。バッターに向かっていく気迫がバンバン伝わってきた。スタミナもあるし、欠点らしきところが、まったく出なかった。

 この先、山あり谷ありだろうけど、先発ローテーションで十分投げられることは間違いない。プロ3年目。2年の間にファームで鍛え抜いたんやろな。プロの体になっているし、着実に力をつけたことが分かった。まるでロッテ佐々木朗希の成長曲線と同じ。ロッテ方式ならぬ阪神方式が実った瞬間だったかもしれないですね。

 西純はいわゆる「佐々木朗希世代(2001年生まれ世代)」と言うらしい。ほかにはヤクルトの奥川(奥川恭伸)、オリックスの宮城(宮城大弥)、阪神の及川(及川雅貴)がその世代。まず宮城が飛び出し、奥川がブレークした。及川もセットアッパーで一軍に定着した。佐々木朗と西純は出遅れ感が少しあったわな。

 ところが3年目の今シーズン。奥川と及川は故障に苦しんでおり、宮城も思うような投球ができないでいる。逆に佐々木朗、西純はまさに本領を発揮し始め、先発ローテーション投手のポジションを手に入れた。焦りもあったと思うけど、心技体で本物のプロになった。この明と暗、コントラストに野球の深さを感じることができるんよね。

世代同士が野球界を盛り上げる常にこういう流れよ


 今週号の特集がこの「2001年生まれ世代」について、である。そこで担当のS君から「岡田世代というのはあったのですか?」と尋ねられたけど、昔はそういう〇〇世代といった表現はなかった。それは生まれ年度で表し、昭和○○年会とかで取り上げられていた。オレが小さいとき、まず知ったのが田淵(田淵幸一)さん、山本浩二さん、富田(富田勝)さんの法政三羽烏と同期の明大の星野(星野仙一)さん。近大の有藤(有藤道世)さん、藤原(藤原満)さんたちが同期のことやった。そら豪華な顔ぶれと思ったな。

 それから昭和28年生まれの世代がすごかった。落合(落合博満)さん、中畑(中畑清)さん、真弓(真弓明信)さん、田尾(田尾安志)さん、梨田(梨田昌孝)さんがいて、次に昭和30年生まれの世代に移る。ここには江川(江川卓)さん、掛布(掛布雅之)さんよ。そしてオレらの世代、昭和32年生まれに移るわけやけど、代表格は北別府(北別府学)やね。広島のエース、そのコントロールのよさは、ホンマ、素晴らしかった。バッターでは巨人の篠塚(篠塚和典)やね。首位打者になったのだが、バットコントロールは抜群で、安打製造機と言われたのもうなずける。

 この世代、高校からプロ入りが多くて、オレは彼らに比べ4年あとにプロ入りしている。早大からオレを含めて3人がプロに入ったわ。島貫(島貫省一)、有賀(有賀佳弘=社会人から)で、大卒では現ヤクルトGMの小川(小川淳司)が中大から入団している。

 当時はそれほど同世代ということは意識しなかった。北別府、篠塚はドラフト1位やったけど、4年違いでのプロ入りやから、ライバルとかの意識はなかったもんね。あ、そうそう、ひとり忘れていたわ。同世代、同い年にはボブ・ホーナーがいるんよね。87年に来日してヤクルトで鮮烈な日本デビューを飾ったホーナーやけど、オレは大学時代に戦っていたんですよ。

 早大3年のとき、アメリカ遠征があって、リーグ戦に参加することが認められた。アメリカの強豪大学と試合することになったわけやけど、ここで出会ったのがアリゾナ州立大のホーナーやった。すでにメジャー・リーグのドラフトの目玉やったらしいけど、正直、そういうふうには映らなかった。そのアリゾナ州立大から10数名がドラフトされたというから、強いチームやったけど、そこに早大は勝ったもんね。これはアメリカで大きなインパクトを与えたようでしたわ。

 そのホーナーが時を経て、海を渡って日本にやってきた。風貌はあのときと同じで、懐かしさを感じたけど、いきなりバンバン、ホームランを連発し、懐かしさも消えたわ。ただアッという間にアメリカに戻ってしまい、ホーナー旋風は一瞬やった。それでも海を越えて再会するという縁を感じたし、これが同じ世代の喜びなんやろうな。

 今回の特集である2001年生まれ世代は、今後の球界をリードしていく存在になる。ライバルを感じ、負けたくないという思いを持つこと。これは大事なことで、大いに刺激になる。その先頭に立つのが佐々木朗。追うのが西純らと思うから、いい関係で進んでいくに違いない。

 松坂世代が残り少なくなり、大谷世代も藤浪(藤浪晋太郎)が遅れて、大谷(大谷翔平)ひとりが目立つ(鈴木誠也もいるわな)。そこに時代は移り、これからはニューウエーブの2001年生まれ世代が球界を席捲する。野球界とは、常にこういう流れができあがる。新世代の活躍はこれからが本番。大いにファンを楽しませてほしいものだ。(デイリースポーツ評論家)

PROFILE
岡田彰布/おかだ・あきのぶ●1957年11月25日生まれ。大阪府出身。北陽高では1年夏の甲子園に出場し、早大では東京六大学リーグ歴代1位の打率(.379)と打点(81)をマーク。80年ドラフト1位で阪神に入団。1年目からレギュラーとして新人王を獲得。21年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成した85年は五番打者としてベストナイン、ゴールデングラブ賞。94年にオリックスへ移籍し、95年限りで現役引退。通算1639試合、打率.277、247本塁打、836打点。オリックスで2年間指導の後、98年に阪神復帰。二軍監督などを経て、04年から08年まで監督を務め、05年はリーグ優勝に導いた。09年から12年はオリックスの監督として指揮を執り、13年からは野球解説者として精力的に活動している。
岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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