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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「イジイジするような試合が続く…でも前を向くしかないよ。ここから先は打線は上向くのみ。外国人じゃなく若手打者に期待よ」

 

交流戦も終わり、セの戦いが再スタートした。それでも打線が不調で、なかなか調子に乗れない状況が続いている阪神。オールスターを前に前半戦が終わるが、そこまでの戦い方を指揮官は見据えている。
写真=BBM

長く底の状態が続いているけど、前を向くしかないよ。必ず打線は上向くよ


球界全体で投手力が上がっている


 野球ファンの皆さん、阪神タイガースファンの皆さん、そして週刊ベースボールファンの皆さん。1カ月ぶりです。阪神タイガース監督の岡田彰布です。

 この1カ月(いや、それ以上か)、ハラハラさせて申し訳ありません。ホンマに苦しい戦いが続いています。とにかく打てない! ここに尽きます。なにせ得点できないのだ。完封で負け、得点できても1点か2点。こんな状態、実際、初めてのことかもしれん。

 ただし、これはタイガースに限ったことではない。プロ球界はまさに「投高打低」の世界。ここまで極端なこと、「異変」と言えるかもしれません。

 よくボールが飛ばなくなった……という声を聞くけど、オレはそこまでのことは感じていないわ。それよりも投手の力というのかな。これが全体的に伸びているということなんやろうと思う。いまの一軍で投げる投手のほとんどが150キロ超えのスピードボールを投げる。先発でもセットアッパーでもクローザーでもそうで、敗戦処理的な投手も平気で150キロを投げるわけよね。

 この投手の驚異的な進化をホンマ、心底感じる。思い出してみれば、オレが現役のころ、スピードガンは普及していたけど、クローズアップされるほどでもなかった。当時の好投手の条件と言えば、ストレートがホームベースのところでホップするわけ。もちろんスピードはそれなりに出ていたが、それよりもキレを重視していた。スピードよりキレの時代やったけど、時代の変化で投手の能力値の基準が変わったのかな。

 それまで「ビシッ」と表現してきたキレのある真っすぐから、「ズドン」というパワー系のストレートが評価される時代になっている。それはプロ野球にとどまらず、高校野球でも150キロ以上を投げる投手がたくさんいる。ホンマ、時代は変わった……とあらためて思うよね。

 ここまで球速が全体で伸びている要因は、となれば、それは技術の進歩とともに、高度なトレーニング方法に行き着くのやろな。150キロを投げることができる体。それをトレーニングによって生み出す。幼いころからウエート・トレーニングをはじめ、肩、肘にパワーをつけていく。150キロを投げる負担に負けない体づくり。これが投手の源になっているんやろな。

 ウチの投手陣もバンバン150キロ以上を投げる投手がいる。才木(才木浩人)やセットアップの石井(石井大智)、ゲラなどだが、対照的に・・・

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岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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