オレの入った406号室は虎風荘の出世部屋やった

　3月1日、阪神の二軍球場こけら落としのゲームが行われた。この新球場、尼崎の大物(だいもつ)という駅前にできたもので、それは立派な施設である。そこで始球式に招かれた。こういう記念の式典に呼ばれること、光栄なことだし、なんとかいいボールを投げようと力んだわ。やっぱりアカンかった。ボールはワンバンで、さすがに衰えを感じたけど、多くのファンには喜んでもらえたようやった。

　二軍戦がチケット完売という人気。多くのファンでスタンドはいっぱいになり、そら選手も動きが違ってくる。日本一ともいえる二軍施設の環境よ。恵まれた中、若い選手はやっぱり期待に応えないといけないよね。平田(平田勝男二軍監督)が言うように、大物(だいもつ)から大物(おおもの)が誕生するように願っている。

　この施設の中にあるのが虎風荘である。選手寮で虎風荘の歴史は古い。オレが入寮したのは1980年の1月やった。甲子園球場の東にあり、歩いて球場に行ける距離にあった。早大から阪神に入団した1月、合同自主トレに合わせて入寮となり、部屋番号が決まっていた。「406号」である。5階建ての4階でいわゆる・・・