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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「大竹耕太郎の離脱などのマイナス点も伊原陵人や工藤泰成などの新戦力がチームの活性化を促すよ 今年も阪神は強いと思うね」

 

野手ではキャンプから頑張って一軍クラスの実力を発揮し始めた高寺。開幕一軍入りに期待よ[写真=宮原和也]


野手では高寺がずいぶんとレギュラー陣に近づいた


 これを書いているのが3月中旬。開幕まで2週間だ。オープン戦も残りわずかとなり、チームとして「臨戦態勢」に入っていく。このころになると、さすがにピリピリした空気がベンチを包む。ただその前に、なんか中だるみの感じがやってくるのが不思議で、オレも監督時代、それを感じてきた。

 2025年のタイガースは今、まさにそんな感じじゃないかな。これを踏まえて、ここから開幕を意識した戦いになっていく。それが起用法の違いに現れてくる。キャンプを終え、練習試合、オープン戦では若手、新人を多く起用し、可能性を試してきたが、それもタイムオーバー。ある程度の判断材料を得て、これから残りのオープン戦は主力の最終調整の時間となる。

 以前も書いたけど、オレはここから逆算方式で物事を考えていたわ。先発投手のローテーションはほぼメドが立ち、それを逆算してマウンドに上げる。野手陣もそうで、ほぼベストの布陣で残り数試合は臨む。これで開幕モードになり、チームも高揚していった。

 だから藤川(藤川球児)監督も、ほぼほぼ開幕一軍メンバーを決めていると思う。やはり実績組が強いし、今シーズンもレギュラーは譲らない、といった印象を受ける。正直、ここまで新監督は新たな戦力の発掘にトライしてきたが、レギュラーを奪うまでの若手は現れなかった。これがダメと言うわけではない。少なくても主力クラスに近づいた若手が存在したこと。これも事実なのだ。

 例えば高寺(高寺望夢)という選手だが、このままいけば開幕一軍、開幕ベンチ入りはまず間違いないだろう。彼のバッティングは年々、成長しているのが分かるし、守りも一軍入りに有利に働いている。現状、内野の控えが少ない。熊谷(熊谷敬宥)が二軍だし、これだけでも高寺の存在感が増すといったところよ。

 野手が現有の主力が主体になる一方で、投手陣は変動が起きる可能性がある。開幕の村上(村上頌樹)、カード代わりの頭の才木(才木浩人)。これは決定しているが、それ以外はどうなるのか。当然、新戦力に注目……ということになる。まず左の先発だが、大竹(大竹耕太郎)が出遅れとなり、伊藤(伊藤将司)はまだまだピリッとしない現状。それをどう埋めていくか。監督の頭にあるのが、門別(門別啓人)と新人の伊原(伊原陵人)ということになるのでは。

門別はチャンスやし結果を残さないといけない


 門別はそらチャンスよ。オープン戦での結果にあるように、崩れる要素は見当たらない。今年は試される立場ではなく、勝たねばならぬ立場。開幕から先発ローテーションに組み込まれるだろうし、早くに1勝すれば、そのまま定着。それほどの期待感はある。

門別は先発事情で先発ローテに入りそうやけど、今年は勝たないといけないし、勝てばどんどんと勝利が増えそうやと思う[写真=宮原和也]


 ドラフト1位の伊原はどうか。オレの感覚では「実戦派」というイメージが強く、マウンドに上がって力を出すタイプ。オープン戦での最終テストでも、それを存分に発揮していたし、ここまま開幕の先発組になる可能性は高いと見ている。もちろん即戦力としてドラフト1位で指名したわけだが、チーム事情で存在がクローズアップされるなど、やはり持っている投手かもしれないな。

先発陣の離脱が続いているけど、ドライチの伊原はローテに入りそう。こういう運もドライチで持っている選手ということよね[写真=宮原和也]


 あとは育成から支配下になった工藤(工藤泰成)というルーキー投手も現れた。ということは、いない、いないとされた新戦力は確かにいた、ということで、これもチームの底上げになるのは言うまでもない。

 昨年のことを思い出していた。開幕直前、大山(大山悠輔)の出遅れなどで、満足な形で仕上げができなかった。これは痛かった。さあ、いよいよ、さあ、これからというときにチームの形ができないマイナス。これが響いたわな。

 新監督として、当然、開幕ダッシュを目論んでいるはずだし、そのためにも万全なチーム状態で臨めそうなのは心強い。主力がガチッと形を固め、新たな戦力(新外国人も含む)が出てきた。このままオープン戦を終え、開幕に向かっていけば、それでいい。とにかく阪神は強い。力がある。このまま自信を持ってシーズン・インよ!(阪神タイガースオーナー付顧問)

PROFILE
岡田彰布/おかだ・あきのぶ●1957年11月25日生まれ。大阪府出身。北陽高では1年夏の甲子園に出場し、早大では東京六大学リーグ歴代1位の打率(.379)と打点(81)をマーク。80年ドラフト1位で阪神に入団。1年目からレギュラーとして新人王を獲得。21年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成した85年は五番打者としてベストナイン、ゴールデン・グラブ賞。94年にオリックスへ移籍し、95年限りで現役引退。通算1639試合、打率.277、247本塁打、836打点。オリックスで2年間指導の後、98年に阪神復帰。二軍監督などを経て、04年から08年まで監督を務め、05年はリーグ優勝に導いた。10年から12年はオリックス監督。22年秋に15年ぶりに阪神の監督に復帰。23年は18年ぶりにリーグ優勝&38年ぶり2度目の日本一に導いた。24年は惜しくもリーグ2位で終わり、契約満了で退任。オーナー付顧問に就任した。
岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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