その一挙手一投足を目にしたすべての者から高評価を集める金の卵が広島にいる。高卒1年目捕手の坂倉将吾。球団のみならず、球界を背負って立つ扇の要となれる逸材だ。 文=坂上俊次 
捕手/1年目/19歳
日南キャンプ初日、心地よい音を立てるミットと18歳と思えぬ佇まいに関係者は息を飲んだ。名門・日大三高で1年から主力として活躍した坂倉将吾はドラフト4位でカープに入団すると、合同自主トレの段階から評判を呼んでいた。ベテランスカウトの
苑田聡彦が満足そうな表情で語る。「これだけのキャッチャーはなかなかいません。しかも、クレバーさもあって、グラウンドの司令塔になれるタイプの選手です」。
評価を高めたのは守備面だけではなかった。
水本勝己二軍監督も興奮気味に語る。「高卒ルーキーでこれだけ振れる選手はなかなかいません。前田(
前田智徳)や誠也(
鈴木誠也)もそうでしたが、打席に立ったときに、何か雰囲気を持っています」。
妥協なきスイング量で知られる日大三高の練習の中で、坂倉は工夫を重ねながら技術を磨いていった。
森笠繁二軍打撃コーチはこう説明する。「坂倉はボールに対して間が取れます。見逃しや空振りを見ても、打ちそうな間合いを感じることがあります。間合いが取れるから、左投手に崩されることもありません」。
実際、首脳陣はウエスタン・リーグの開幕戦(3月17日、
中日戦、ナゴヤ)で、坂倉をいきなり・・・
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