力のある速球と破壊力抜群のチェンジアップを武器とする先発左腕は、育成入団1年目から二軍での先発ローテーションを守りアピールを続けている。まだ調子に左右される面も残るが、持っているポテンシャルは計り知れない。調子の波の上限下限ともに底上げし、一つひとつ階段を上っていく。 取材・構成=武石来人 写真=兼村竜介、BBM 
庄司陽斗[投手/1年目/23歳]
今季の支配下昇格こそならなかったが、入団1年目にしてチームトップの投球回を残すのはチームからの期待の表れだ。クレバーかつ熱い左腕からスラスラと返ってくる言葉には、普段から思考し、理想と現実のすり合わせを続けている様子が伝わってくる。 ──ルーキーイヤーも早2/3ほどが経過しました。ここまで振り返ってみての手応えはいかがですか。
庄司 自分自身ここまで投げられるとはあまり思っていなかったので、うまくいき過ぎているのかなという感じはあります。その分、多くの試合で投げさせていただいていますし、任されている部分もあるので、常に意識を持ってしっかりと投げるようにしています。
──うまくいき過ぎている部分も含め、ここまでを100点満点で採点するとしたらどのくらいの感覚なのでしょう。
庄司 正直、全然まだまだで40、50点ぐらいです。やっぱりゲームをつくることが先発の仕事だと入来(
入来祐作二軍チーフ投手)コーチからもずっと話していただいていますし、もっと確率を上げていかないと。ゲームメークをすることだけを考えながら投げるように心掛けています。
──100点と言える投球にするためにはどんな意識が必要だと感じますか。
庄司 やはり先発を任されている以上は5イニング以上投げることが必要ですし、ベストな形である9回完封を目指すことだと思います。ただチームが勝つことに対して自分がどう貢献するかが大事だと思うので、自分が行けるところまでしっかり腕を振り続けることが一番です。
──自身では調子の差は登板ごとに感じているのでしょうか。
庄司 正直、差があります。ただ、状態がいいときがすべてではないというか。むしろコーチの方々からは状態が悪いときのほうが多いんじゃないかって言われるくらいなので(笑)。その中でどうやって打ち取るかを常に考えながら投げるようになりました。自分の中では工夫することで少しずつですけど、差は埋められてきていると感じています。大学時代は状態の悪いときは悪いままの場合が多くて……、先発をする上で大切なことだとより実感しているところです。
──状態の悪い際に工夫するのは意識的な部分と技術的な部分のどちらですか。
庄司 どちらもありますね。できる限り考え過ぎないようにはしているんですけど、自分の性格上、考えちゃうタイプなので……。技術的にうまくいかないと、意識的な部分も引っ張られて悪い方向に進んでしまうと思いますし・・・
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