未来のスター選手を目指してファームで奮闘する新星たち――。ブレーク目前の若武者にスポットを当てたインタビュー企画が2025年も始動。第1回は、育成入団から1年目に支配下昇格を勝ち取りながら、ケガもあって再び育成からの出直しとなった右腕が登場。先発への熱い思いを胸に秘め、必ずや一軍の舞台で輝くことを誓う。 取材・構成=杉浦多夢 写真=大泉謙也、BBM 育成入団ルーキーではNPB史上2人目、セ・リーグそして球団史上初となるプロ初登板初先発で初勝利を挙げるという快挙を成し遂げ、前途洋々だと思われたが、そこから一軍の厚い壁に阻まれた。2年目の昨季は腰痛に悩まされたこともあって一度は手にした2ケタ背番号を手放し、今は再び3ケタの数字を背負う。万全のフィジカルと狂いの生じていたメカニックを取り戻した今季、逆襲の準備は整った。 ──多くの経験を手にした1年目を経て、昨季は思わぬ悔しいシーズンになってしまいました。
松井 1年目は5月に育成から支配下に上がって、初勝利も挙げることができましたし、2年目の昨季は一軍で先発ローテーションを狙うつもりでいました。最終的にロングリリーフ枠的な形で開幕一軍に入ることができたところまでは良かったんですけど……2試合目の登板での2つの押し出し(2024年4月6日の
DeNA戦、3対3の5回二死満塁から登板して連続四球)というのが、今でも鮮明に覚えているというか、すごく悔しかったですね。
──その後はファーム降格になり、ケガにも悩まされて思うような結果を残すことができませんでした。
松井 ファームに落ちてからしばらくは調子が良かったですし、自分のピッチングができていたんです。ただ、左腰に張りを感じるようになっていたのが気になってはいたんですけど、5月の始めに練習でスクワットのような動きをしていたときにギックリ腰のような症状になってしまって。それからは腰をかばうようにして投げているうちに、メカニックも狂っていってしまい、2カ月ほど休んで復帰してからも、ボールにあまり力が伝わらず、「自分のボールじゃない」と感じる期間が続いてしまいました。
──メカニックが狂ってしまったというのはどんな部分だったのですか。
松井 どうしても体が回り切らないというか。下半身から上半身に連動させて、最後に末端(指先)に力を伝えていくんですけど、(腰の影響で)幹の部分がダメだったのでうまく力を伝えることができなくなってしまって。それでもシーズンの最後のほうにはだんだん良くなってきましたし、オフには台湾のウインター・リーグに行って、そこでも良いボールを投げることができたと思います。オフもいいトレーニングができていたので、もちろん今はフィジカル面の心配はまったくないですし、キャンプも含めてここまでは順調に来ているかなと思います。
──オフに重点的に取り組んだのはどんなことでしょうか。
松井 体幹ですね・・・
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