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西武・秋山翔吾のコラム

今週のテーマ=優れた投手&守備

 

独特のカーブも難敵


「誰のストレートが手強い?」と聞かれてまず頭に思い浮かぶのは、ソフトバンクの武田(翔太)でしょうか。今年もチーム自体が1勝4敗(防御率3.28)とやられています。ストレート、カーブが主武器ですが、武田のストレートは本当に手元でキュッと曲がる“真っスラ”なんですよね。それはカットボールとも違う。カットは結局、軌道の途中でそれだと分かる球。でも、武田の“真っスラ”は投げ終わってみて「あっ、真っスラだったんだ」と分かるような感じ。それほど手元ギリギリで変化する感覚なんです。

 それに、あの大きく曲がるカーブがある。当然、この球種もマークしなければいけない。頭からその存在を消すことができないから厄介です。それに、例えば主武器がストレートとフォークだったら似たような軌道なので対応が可能になってくる。でも、カーブは独特の変化をする球種ですから。余計にストレートが生きてくるんですよね。

独特の“真っスラ”を投じる武田/写真=内田孝治


苦手だったあの左腕


 手強い変化球といえばソフトバンクの千賀(滉大)のフォークやオリックスディクソンナックルカーブでしょうか。千賀のフォークは投げ損ないでも打つのが困難。それだけ腕の振りが素晴らしいということだと思います。楽天の則本(昂大)のフォークも非常にいい落ち方をしますよね。当然、変化球は単体だけの威力でなく、キレのいいストレートがあってこそ。とにかく彼らの変化球はヒットになるイメージが湧きづらいです。

 オリックスの松葉(貴大)もなかなか攻略できなかったんですよね(昨年まで通算19打数1安打、打率.053)。今年も7月に2試合対戦して、それぞれ3打数1安打、3打数0安打と苦戦していました。当然、攻略法を練って対していましたが、何か合わない。例えば「スライダーを空振りしてもいいからストレートだけ狙う」と割り切っていけば年に2本くらいはヒットが出るものなのですが。こういった結果が続くと本当にどうしていいか分からなかったですが、この前の対戦で3安打できました(8月12日)。いろいろと変えてみたのがうまくいきました。

打撃が狂わされる守備


 外野守備に関しては「誰がうまい」と他人を認める気持ちは……少ないです。自分がゴールデン・グラブ賞とは疎遠な選手だったら話は別ですけど。やはり、そこにはプライドがあります。僕も判断ミスはありますが、「あの打球が捕られるのか」「あの打球が落ちるのか」という視点で自分にも置き換えて、僕だったら守備位置をどのあたりにするかということなどを考えますね。

 内野守備だったら……例えば自分が打席に立ったときに状況によってはヒットゾーンを探して、方向を決めて打つことがあります。やっぱり、ソフトバンクのショート、今宮(健太)に関しては「どこに打てばヒットになるのか」と思いを巡らせてしまいますね。例えば投手のワキに打球を返してセンターに……と思っても、今宮に捕球されないように打てるか、と考えたら選択肢としてそれが消えてしまう。僕はもともと逆方向に打ち返したいタイプですけど、今宮が守っていて、アウトになるイメージが思い浮かぶと、そちらに打球を飛ばしたくなくなる。深みにはまると打撃がおかしくなってしまう。今宮はその存在だけで、相手の調子を狂わせる守備ですね。

堅守を誇るショートの今宮。打席に立つと、その守備を警戒せざるを得ない/写真=湯浅芳昭


 守備が悪ければ打席で気がラクになるのは確か。例えば一、三塁の得点機でその人の前に打球を飛ばせばゲッツー崩れで1点は確実に取れるな、と。すると余裕を持って投手と対することができて、逆にヒットになったりする。いい結果になることが往々にしてあるんですね。自分の中で制約があればあるほど苦しくなるのは必然ですから。

 楽天の藤田(一也)さんの二塁守備も巧みですよね。どんな体勢で捕球しても一塁へしっかりと投げることができる。今年もヒット性の当たりをそれで2、3本はアウトにされていますからね。

 とにかく、球界に優れた選手は数多くいますが、僕はそれに負けないように頑張っていくだけです。そう思っていれば自然と自らのレベルもアップしていくはずですから。

読者からのQUESTION!
Q.「巧みな走塁を誇る選手は?」(神奈川県・ヨシノリ)

A.「塁間5歩くらいで……」

 日本ハムの大谷(翔平)の走塁はすごいと思います。「走塁が一番、野球観が出る」と言っているみたいですが、自信も持ってそうだし、判断力に長けていますよね。あと走りの豪快さで言えばソフトバンクの柳田(悠岐)も。例えばあれだけバットを振って、一塁でギリギリのタイミングになることがよくありますから。大谷も柳田も塁間を5歩くらいで走っているんじゃないですか。ポンポンポンポンポンッで、もうベースに届いているという(笑)。

当連載の著者、秋山翔吾選手への質問を募集します。上記のリンクからお寄せください

PROFILE
あきやま・しょうご●1988年4月16日生まれ。神奈川県出身。183cm85kg。右投左打。横浜創学館高から八戸大を経て11年ドラフト3位で西武に入団。プロ3年目にフルイニング出場を果たし頭角を現すと、昨季はシーズン最多の216安打を放ち、打率・359をマーク。侍ジャパンの一員としてプレミア12にも出場した。主なタイトルは最多安打(15年)、ベストナイン(15年)、ゴールデン・グラブ(13、15年)。
秋山翔吾の“Show Must Go On!!”

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現役選手による隔週連載コラム。

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