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<TEAM STAFF CLOSE UP>営業兼BP・中村辰哉(DeNA)「チームとビジネス部門が理解を深められるような橋渡し的な存在になりたい」

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バッティングピッチャーは、練習時に打者が気持ちよく打てるよう投球する仕事。営業は、球場内に掲示される看板や試合ごとの冠スポンサーを獲得する仕事。まるで正反対の仕事だが、その両方を一人でこなす球団職員がDeNAにいる。自身もNPB入りを目指していた中村辰哉氏は、いかにして今のポジションに就いたのか。
取材・文=早川大介

中村辰哉[DeNA]


夢かなわずBPへ


 横浜DeNAベイスターズの本拠地・横浜スタジアムからほど近くの球団事務所。ここでは、営業をはじめとする多くのスタッフが働いている。その一人が中村辰哉氏だ。ビジネス統括本部営業部・第一営業グループに所属し、スタジアムに掲示する広告や、試合ごとの冠スポンサー獲得に向けてクライアントを訪問し、ときには夜遅くまで交渉を重ねる。

 しかし、横浜スタジアムで試合が開催される日は状況が異なる。試合開始の5時間前、スタジアムで115番のユニフォームに袖を通し、ウオーミングアップを開始。野手の打撃練習が始まると、右投手のケージに入り、ストライクゾーンを狙ってボールを投げ込み、選手が気持ちよく打てるようサポートする。そう、中村氏はバッティングピッチャー(BP)としての役割も担っている。ナイトゲームの日は、午前中はスーツ姿で営業の仕事をこなし、午後からはユニフォームに着替えてBPとして準備をすることも。営業とBP、二つの顔を持つのだ。

 福井県大野市で生まれた中村氏は、5学年上の兄の背中を追い、野球を始めた。捕手として成長し、福井商高時代の2013年には夏の甲子園に出場。さらに関西六大学リーグで30回の優勝を誇る名門・龍谷大に進学しプロを目指した。しかし、NPBからの声は掛からず、最後の望みを託して独立リーグ・BCL福井へ。「大卒だったので、1、2年が勝負」と期限を決めて挑み、2年目にはキャプテンも務めたが・・・

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舞台裏の仕事人

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