ジャイアンツが球団としての新たな取り組みを発表したのは2023年9月のことだった。中学生硬式野球チームである「ジャイアンツU15ジュニアユース」の創設。翌24年の球団創設90周年記念事業の一環として、プロ野球球団が中学生年代の育成に乗り出すことで球界のさらなる発展を目指すものだ。その初代監督に就任した思いとは。 取材・文=杉浦多夢 写真=球団提供 
ジャイアンツU15ジュニアユース監督・片岡保幸[巨人]
チームの存在意義
西武時代に4年連続4度の盗塁王、最多安打も1度獲得し、2009年のワールド・ベースボール・クラシックで世界一に輝いたスピードスターは巨人での現役引退後、18年から21年までファームのコーチを務め、プロの現場を離れてからは社会人、大学、高校とアマチュアの指導にも携わってきた。その中で感じていたのが、「基本」の重要性だ。
「キャッチボールから始まり、捕る姿勢やトスバッティングのやり方など、どんなものにも基本がある。ただ、プロに入ってくるようなレベルの選手であっても、しっかりできていない選手がいたりした。そういうこと(基本)を教えるのは時間がかかるが、プロの選手には時間がない。試合がどんどん入ってくるし、結果を出さないといけないから実戦練習が中心になってしまう。アマチュアの選手たちを見てもそれは同じ。だからこそあらためて『基本』をしっかり学ばせたいという思いがあった」
そんなときにジャイアンツU15ジュニアユースの監督として声が掛かった。一度、球団を離れた身だったが、「ジャイアンツに恩を返さないといけない」という思い、「プロを教える難しさとはまた違うところでやってみよう」という決意が生まれ、断る理由はなかった。
活動2年目となった今年、1期生の中学2年生24人に2期生の中学1年生18人が加わり、計42人の選手たちが日々、汗を流している。平日の活動は月曜と木曜にジャイアンツ球場や室内練習場で実施。潤沢なコーチ陣による個別練習が中心で、1人あたり約2時間。土曜と日曜は「多摩川ボーイズ」として日本少年野球連盟の試合などに出場している。さらに今年からは選手数が増えたこともあり、水曜もジャイアンツ球場で実戦練習などを行っている。
まだ発育段階である中学生年代の指導ゆえ、前提にあるのは・・・
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