プロ野球選手を目の前で見ると、その体の大きさとりわけ体の厚さにいつも驚く。それが日々の鍛錬で作られていることは間違いないがトレーニングと同じくらい大切なことが栄養摂取だ。DeNAの選手たちの栄養面をサポートするのが総料理長の加々美忠彦氏。高級ホテルのシェフも務めたその腕前で、おいしくサポートしている。 取材・文=早川大介 
総料理長・加々美忠彦
ベイスターズとの縁
150キロを超える豪速球を正確にミットに投げ込み、それをはじき返し、グラウンドを所狭しと駆け回るプロ野球選手。その強靱な肉体は日々のトレーニングと栄養補給、休養でつくり上げられ、常人のそれとは一線を画す。
DeNAで『栄養』の部分を支えるのが、チーム統括本部育成部栄養グループ。その全体を管理し、自らも選手寮で腕を振るうのが総料理長の加々美忠彦氏だ。もともとは横浜・みなとみらいにある高級ホテルのフレンチ料理店で料理長を務めていたという経歴を持つ加々美氏は、なぜDeNAで選手に食事を作ることになったのだろうか。
1965年、山梨県富士吉田市で建築業を営む一家の長男として誕生した加々美氏。建築と料理、ものを作ることは同じとはいえ、正反対の職業のようにも感じる。
「高校生のころにオヤジの仕事を手伝いに行ったこともありましたが、建築の現場は屋外だから夏は暑いし冬は寒い。それが嫌で(笑)。ちょうどそのころに料理人が料理対決をする『料理の鉄人』というテレビ番組がやっていたんです」
そこまで料理に興味があったわけではない。母親が料理を作る姿を眺めるくらいだった。しかし、画面の向こう側ではショーアップされた厨房で、華やかな料理を振る舞う料理人の姿に心惹かれた。「家業を継がなくてはいけない」ということに対する反発心もあったという。そして、高校卒業とともに上京し、調理師専門学校へと進学することを決めた。
1年間の専門学校での勉強、実習を終え、東京・西麻布のフレンチレストランで働き始めた。最近では料理人を題材にした映画やドラマ、漫画なども数多く、そこには壮絶な下積み時代が描写されているが……。
「そうですね。そうしたものを見て内情を分かっている方もいるかもしれませんが・・・
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