野球競技の打撃に特化した施設、バッティングセンターは、昭和時代に全国各地に生まれ、日本の野球を支えてきた存在だ。ただ、店に訪れるのは、試合に備えて調整する選手だけではない。野球に興味を持ち始めた人、そして野球に興味のない人も来る。どんな人でも迎え入れるバッティングセンターが新宿にある。 取材・文・写真=小林篤 
新宿バッティングセンター
1日1台3000球
日本三大歓楽街の一つである東京・新宿の歌舞伎町。多種多様な娯楽施設が集まる街に、1978年から営業を続けているのが新宿バッティングセンターだ。靖国通りから区役所通りへ入り北進、新宿区役所を通り過ぎてほどなくすると、ビルが立ち並ぶエリアでは珍しい、防球ネットが張られた建物が見えてくる。近づくにつれ、球をとらえた金属バットのカーン、という爽快な音が聞こえてくる。
年中無休で、午前10時開店、翌朝4時閉店。営業時間に加えて、新宿というターミナル駅に近い立地ということもあり、稼働量は日本トップクラスを誇る。同店の経営企画に15年以上携わり、2019年からは運営責任者を務める村山拓さんは、来店客数について推測する。
「来店センサーがないので、何とも言えないですが、売り上げから考えると1カ月で延べ2万5000〜3万人ぐらいでしょうか。プレーをしない仲間も連れてこられますから、単純な来客数となれば、この倍はいくかもしれません」
毎日さまざまな客層が訪れる中、ここ2〜3年で一気に増えてきているのが、外国人観光客だという。取材日も、バックパックを背負った外国人3人組が入店し、ぎこちなさの残るスイングで球速80キロの直球に悪戦苦闘する姿があった。
「平日の昼間は外国人しかいないということもざらにあります。古くを言えば
イチローさん、今では
大谷翔平さん。彼らが過ごした野球人生の中の一つにバッティングセンターがある。『日本の野球はここから始まっているんだ』という名所巡りのようなものもあるんじゃないでしょうか。大谷さんがエンゼルスにいたころは赤色の貸出用ヘルメットを使われる外国の方が多かったですが、ドジャースに移籍してからは、みなさん青色を使うようになりましたね(笑)」
新型コロナ禍で一時は客足が減ったが、回復傾向にある中で訪れたインバウンド効果。また・・・
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