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【Baseball Specialists】中本牧リトルシニア・村上林吉監督 野球一筋の指導論「野球と出世。どちらと言えば、野球を取った」

 

中学生を対象とした硬式野球チーム・中本牧リトルシニア野球協会は全国屈指の名門だ。1978年の発足以来、全国選抜大会優勝2度、日本選手権優勝2度、ジャイアンツカップ優勝2度(前身大会を含む)を誇る。約50年にわたり指揮してきた名伯楽は昭和、平成を経て、令和の時代となっても、ブレない指導理論がある。
取材・文=岡本朋祐

中本牧リトルシニア野球協会 監督・村上林吉


挨拶で始まり、挨拶に終わる


 次年度の新入部員、小学6年生を対象とした「2026年度の入会案内」には「51期」と記載されていた。中本牧リトルシニア野球協会(野球協会以下、中本牧シニア)は1978年に発足し、一般財団法人日本リトルシニア中学硬式野球協会に加盟している。

 全国に7連盟(北海道、東北、関東、信越、東海、関西、九州)があり557チーム(25年4月末現在)が加盟。中本牧シニアは全国最多のチーム数が加盟する関東連盟(210チーム)に所属している。「全国制覇・日本一」を合言葉にしており、夏の日本選手権で頂点をつかむことを最終的なターゲットとしている。

 77歳。チーム発足から49年、約半世紀もの間、変わらずに中本牧シニアを率いているのが村上林吉監督だ。入会案内の冒頭では村上静代会長があいさつ文を掲載している。村上監督の夫人である。

「当協会では『挨拶で始まり、挨拶で終わる』という礼儀作法を大切にし、野球と勉強の両立はもちろん、団体生活によって忍耐力、団結力を身につけ、健全な心身と協調性を養い、規則正しく友愛精神を深めることをテーマに指導してまいります。当協会で得た経験は将来、社会人になっても必ず生かされるものと確信しています」。村上監督も同様の考えだ。

「昭和の野球から比べれば、指導が難しい時代になっています。コンプライアンスが重視され、統括団体が主催する勉強会は年に2回あり、チームから3人が参加しています。どこのチームも野球を教えるという60%は同じ。残り40%の部分で子どもたちをどう育成していくのか。『指導が難しい時代』とは言いましたが、良い言葉ばかりを並べていてはダメなんです。説明するまでもなく、シニアは硬式球を使用します。ふざけた練習をしていれば、ケガのリスクが大きくなる。命の危険性さえあるわけです。子どもたちを預かる私たちには責任が伴い安全・安心の環境下で活動するには、集中力を持って取り組ませないといけない。会長も口酸っぱく言うように礼儀作法、あいさつと、当たり前のことを当たり前にする。人に迷惑をかけないように行動する。チームを勝たせるのが監督の仕事ですが、この部分はずっと譲れないポリシーです」

 さらに・・・

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