
37本塁打はリーグトップ。内角打ちも苦にしないようになった岡本。相手投手は投げるところがないでしょう[写真=桜井ひとし]
先日の
DeNA戦(9月2日、横浜)で、野手の北村(
北村拓己)が8回に登板しました。リリーフ陣を6人使って、DeNA打線を抑えきれなかった。これだけの点差(8点差)でセットアッパーや抑えを投入できない展開でした。いろいろな批判があると思いますが、チームにとって最善の選択だったと思います。
この試合で四番として二塁打2本に本塁打と、打線をけん引したカズ(
岡本和真)。先週は特例2023で戦列を離れましたが、そのときにやはり彼が四番にいないと打線は機能しない、ということを痛感しました。
特に今年は、例年以上に好成績を収めています。打率も3割台ですし、本塁打も37本と、独走の気配です。そしてさらにこの試合で3つの長打を放っているようにOPSが1.031と長打力はエンゼルスの
大谷翔平に匹敵します。
昨年まで解説者として見ていた私の評価は「インサイドが苦手かな?」でした。もちろん、緩い球の内角はキッチリと引っ張って打ちます。しかし、勝負球などは打てない、弱い印象が強かった。実際に速い球をライトへ本塁打することには長けていましたが、内角は苦手意識が強かったと思います。相手投手もその部分を突いてきやすかったのではないかと思うんです。
今年、なぜここまで変化したのか……そこにはWBCで一緒にプレーした大谷の存在がすごく大きかったのではないでしょうか。大谷は「打てなかったのはテクニックがないから……は言い訳」だと言ったらしいです。それと同時に「(打撃は)パワーがないとダメ」と、カズに言ったそうです。
それを受けたカズは、ウエート・トレーニングにより力を手に入れたと聞いています。私自身、トレーニングルームでカズの練習は見ていませんので、そういう情報が耳に入りました。でも、これは悪いことではなく、続けるなら、継続してほしいと思っています。
パワーが付いたことで、もともとテクニックがあったカズが内角を苦にすることなく、打ち始めました。多分ですが、試合でも詰まらされることがなくなり、余計にインサイドがさばけるようになったのだ、と思います。
インサイドアウトの打ち方を、“おかわり”こと
中村剛也に何度もやらせたのが2008年の
西武打撃コーチ時代。このときは3年計画でやって1年で作り上げましたし、おかわりの身にもなりました。
カズの場合は……すぐにでもできそうだな、と感じていました。実際には4カ月で、この技術を身に付けました。だからこそ、この成績を残しているのだと思います。まだまだ打ちますし、残りシーズンでも貴重な働きをしてくれるはずです。
将来的には600本塁打は確実に打てる打者じゃないかと思いますし、それだけ魅力のある選手、それが岡本和真だと思いますね。
PROFILE 大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで
巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは
楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。今年から巨人一軍打撃チーフコーチを務める。
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