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立浪和義のコラム

アルモンテ選手はなぜチャンスに強いのか

 

アルモンテは5月の月間MVPに選ばれた


日本球界に適応


 独特の長いヒゲが特徴の中日の新外国人・アルモンテ選手。6月5日現在の打率は.348でセ・リーグのトップに立ち、打点38は4位です。最近では珍しいスイッチヒッターですが、右投手に.345、左投手.354とどちらも苦にせず、得点圏打率も.417と勝負強さを見せ、チームに貢献しています。

 彼は一度、グリップを下げてから上げていく、いわゆるヒッチするタイプです。これが欠点ではないことは今まで何度か書いていますが、オープン戦では情報が少ない日本の投手への戸惑いもあったのか、タイミングが合っておらず、手が上がる前にボールが来てしまい、特にベルトから上の球に詰まるシーンもよく見ました。

 それがシーズンに入り打席を重ね、さらに結果が出たことで余裕ができたんでしょうね。いまは早めに手が上がって高めの球もしっかり打ち返しています。投手の情報の少なさもあるのか交流戦に入って調子を落としていますが、5月は打率.371、5本塁打、15打点と打ちまくっていました。

 変化球が多い日本の投手もあまり苦にせず、しっかり適応していますね。

いつも自然体


 外国人選手の中には、結果は出していますが、スイングスピードの速さで技術的な課題をある意味ごまかしているタイプもいます。そのような選手は少しフォームが狂ったり、疲れがたまってスイングスピードが鈍くなったりすると、途端に調子を崩してしまい、シーズンを通してコンスタントな成績を残すことがなかなかできません。

 彼は外国人のいいバッターの特徴でもあるのですが、体が前に出ず、しっかり軸回転のスイングができています。右打席なら右ヒジ、左打席なら左ヒジがしっかりお腹の前を通り、インサイドも苦にしません。また、スイング自体の速さはそれほどではないのですが、押す力が強い。ナゴヤドームは広いので、二塁打が目立っていますが、角度よくいくとホームランにもなります。

 チャンスに強いのは、狙い球を絞っているのと、力まないからだと思います。どんなシーンの打席でも淡々とし、うまく力が抜けています。ヒッチするスイングは、どうしてもインハイが課題になりますが、それにも手を出さず、自分の好きな球に網を張っている印象があります。

 これから初めて経験する日本の梅雨や夏の暑さの中で、コンディションを崩して低迷する可能性はもちろんありますが、技術的には、そうそう大崩れしない日本向きなタイプではないかと思っています。

PROFILE
立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で88年中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ新人王、ゴールデン・グラブに。その後、95年から97年とセカンド、03年にはサードでゴールデン・グラブに輝き、96年にセカンド、04年にサードでベストナインを手にしている。09年限りで引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本球界最多記録でもある。
立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

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