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立浪和義のコラム

立浪和義コラム「大谷翔平選手の偉業と来季への期待」

 

2ケタ勝利&2ケタ本塁打、本塁打王にあと一歩まで迫った大谷[写真=Getty Images]


引っ張りの打球が増えた


 エンゼルス・大谷翔平選手の2021シーズンが終わりました。

 メジャー・リーグでホームラン王を争い、打率こそ.257ですが、46本塁打、100打点、26盗塁。打者専念ならともかく、二刀流でこれだけの数字を残すとは誰も予想しなかったはずです。

 特に46本塁打ですね。これまで日本人メジャーでは松井秀喜選手(ヤンキースほか)が何度も100打点をマークしていますが、彼でさえ、ホームランの最多は31本です。大谷選手の圧倒的なパワーを感じます。

 打撃技術としては、インコースを引っ張っての長打が増えたことが一つあります。もともとメジャーの動く球に対応するためだと思いますが、ポイントが体にかなり近く、加えてトップの位置でバットの先が少し背中側に入ることもあって、ややバットが遠回りし、インコースが窮屈になることもありました。彼には圧倒的なスイングスピードがありますので、差し込まれたような形からセンター方向にホームランを運んでいましたが、私は「もう少し楽に打ったほうが、ホームランも増えるのにな」と思って見ていました。

 それが今年は、トップの位置が自然になり、バットの出がスムーズになりました。それによりインコースをライト方向に引っ張る打球が増えたことが、ホームランの増加につながったのではないでしょうか。

来季は2つとも達成を


 今年の大谷選手は、103年ぶり、あのベーブ・ルース以来の2ケタ勝利、2ケタ本塁打挑戦も話題になりました。メジャーでも伝説的な選手の功績を日本人選手があらためてクローズアップしたというのは誇るべきことですし、ロマンがあるなと思います。

 ただ、今季、9勝2敗でしたが、あのピッチングができ、味方の援護があれば15勝近くはできていたのではないでしょうか。彼の場合、ケガさえしなければ2ケタ本塁打はあっさりクリアできる数字です。あくまで大谷選手にとってですが、2ケタ勝利&2ケタ本塁打自体は、それだけを狙えばそう難しい記録ではなかったかもしれません。9勝&46本塁打のほうがはるかにすごいとも思います。

 とはいえ、ベーブ・ルース以来ということで全米が大谷選手に注目していたことも事実です。来年は間違いなく、今年以上の注目が集まると思います。その中で2ケタ勝利&2ケタ本塁打、さらにホームラン王と、今年わずかに届かなかった2つを達成したとすれば、本当の意味で世界の野球界の伝説になると思います。

 日本では巨人坂本勇人選手が400二塁打を達成しました。私自身は、特にこだわっていたわけではないのですが、これまで私と榎本喜八さん(元ロッテ)が持っていた33歳10カ月を抜く、32歳9カ月の最年少記録と聞いています。彼なら抜いて当然ですし、私の通算最多記録487二塁打もあっさりと抜いていくはずです。ショートというハードなポジションを務めながら本当にすごい選手ですね。

 同じ二塁打が多いと言っても、坂本選手の長打力は私とは比べ物になりません。私の場合は右中間、左中間に飛んでというケースが多かったですが、彼は外野手の頭を越えたり、圧倒的な打球スピードで横を抜いたりと、私とは違ったタイプです。

 現在、2111安打ですが(10月6日現在)、今後、張本勲さん(元東映ほか)の日本最多記録3085安打も抜いてほしいし、できる選手だと思います。

PROFILE
立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ、新人王、ゴールデン・グラブ賞に。95年から97年とセカンド、2003年にはサードでと3ポジションでゴールデン・グラブ賞に輝いている。09年限りで現役引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本記録である。18年野球殿堂入り。
立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

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