週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

海を渡ったソフトバンク・千賀滉大の地元愛

  3

週刊ベースボール4月17日号の表紙撮影に臨んだ千賀。グラブのウエブには地元の蒲郡市のシルエットとシンボルマークが見て取れる



 野球ファンであればソフトバンク千賀滉大のすごさは、先のWBCを見るでもなく、すでに知っていたことだろう。2013年、岩嵜翔ファルケンボーグとともにソフトバンクの勝利の方程式の一角を担い、51試合に登板して1勝4敗1セーブ、17ホールド、防御率2.40。150㌔を超える直球の軌道は群を抜いていたし、現在、「お化け」と冠がつくフォークは、同僚の五十嵐亮太が、「操れるようになったら世界最強」と絶賛していた。右肩の不安もあり、立場は定まらなかったけれど、15年の工藤公康監督就任を機に先発としての英才教育が始まった。十分な下地があった上での世界での活躍だった。

 千賀は愛知県の蒲郡市出身。三河湾を臨む静かな田舎町だ。蒲郡高入学時は「球速120㌔そこそこの投手」だったと苦笑する。プロ入り後にトレーニングを積んでようやく解消する右肩のインピンジメントに悩まされ、他のプロ野球に進む投手のように十分な実戦経験も積んでいない。

 千賀が高校野球で過ごした08~10年、愛知県内で権勢を誇っていたのが中京大中京高。千賀2年時の09年に堂林翔太(現広島)を擁し、全国制覇。千賀の同期には磯村嘉孝(同)がいる。「試合を見たことがあるだけですけど、勝てるとも、抑えられるともとても思えないチームでした」。千賀の高校時代の最高成績は夏の愛知大会3回戦だ。

 そんな男が世界に挑んだ経験を糧にして、17年シーズンへの意気込みを語ったインタビューが週刊ベースボール4月17日号に掲載中で、WBCで使用したものと同じモデルのグラブを手に表紙にも登場している。ウエブに施しているのは地元・蒲郡市のシルエットとシンボルマーク。きっと、そこに忘れてはいけない原点があるのだろう。

文=菊池仁志 写真=湯浅芳昭

この記事はいかがでしたか?

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント 0

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング