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ロッテ・石川歩が大谷翔平から奪った「納得いかない」空振り三振

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ホーム開幕戦に先発した石川は最後まで苦しい投球。チームも開幕4連敗を喫した


「何か、話しましょうか」。4月4日のホーム開幕戦、ZOZOマリンでの日本ハム戦後、いつものように飄々とした佇まいでメディアの前へ現れた石川歩は、らしからぬほどに乱れた自身のピッチングを淡々と振り返った。

 5回を投げて5安打3四球2失点、自責点1。数字だけを見ればうまくまとめたようにも見えるが、5回で120球は石川自身も「投げ過ぎですね……」。昨季、162.1回でわずか22四球だった最優秀防御率投手が、序盤からコントロールがままならず、ボールが先行。2回にはサード・ダフィーのエラーに四球が絡み1安打で先制点を許すなど、最後までリズムに乗ることができなかった。

 初回に大谷翔平を空振り三振に斬って取り、三者凡退に抑えた場面が象徴的だ。フルカウントから外へ逃げるような147㌔のツーシームシンカー……に見えた。昨オフ、「もう一つ変化球を操ることができれば。まあシンカーなんですけど。メジャーだと速いシンカーもあるじゃないですか」と語っていたからだ。しかし、石川は納得いかない表情を浮かべ、首をひねりながらマウンドを降りていった。

「あれはフォーシーム。コントロールできずに狙ったところへ行かなかっただけ」。石川は試合後にそう明かした。「(ツーシームは)まだまだ。まずはしっかりしたフォーシームを投げられるようになってから」。確かに、球種を増やしたいと言っていた昨オフ、新球の話をする前に「まず真っすぐを確率よく投げること」を最大のテーマに掲げていた。

 石川歩の進化の真価が問われるのは、まだこれからのようだ。

文=杉浦多夢 写真=川口洋邦

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