
この日、4万8000人の大観衆。屋根が開くと大歓声が沸き起こった
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は4月17日だ。
2017年4月13日、14日と本拠地ヤフオクドームで、好調
オリックスに連敗を喫した
ソフトバンク。開幕前は、絶対的な優勝候補と言われながら、故障者が相次ぎ、まさかの低迷が続いている。
1993年4月17日は、ヤフオクドームが日本唯一の開閉式屋根のドーム球場、福岡ドームとして初の公式戦を行った記念すべき日だ(前年までの本拠地は平和台球場)。
当時はチーム名もダイエーホークス。相手もまた、その後、オリックスに吸収合併され、事実上“消滅”した近鉄バファローズだ。
3発の花火が打ち上げられた後、ゆっくりと開閉式の屋根が開き、青空が広がっていく。始球式では、打者役としてタレントの森口博子さんが打席に入り、思わずボールに当ててしまい、苦笑いする場面もあった。
試合は必勝を期したダイエーは前年10勝を挙げたエース、
村田勝喜を送り込むが、立ちはだかったのが、近鉄のトルネード、
野茂英雄だ。7回終了までノーヒットノーランの快投。8回、代打・
小川史の左前打で不名誉な記録を逃れるのが精いっぱい。野茂と互角の投手戦を演じていた村田も9回表に力尽き、0対1で敗れた。
それでも翌日は8回裏に3対4から
山本和範の2ランで逆転し、新本拠地初勝利。当時のダイエーは終盤の逆転劇が多く、親会社がスーパーであることもあり“閉店間際の逆転劇”とも言われた。“らしい”初勝利だった、とも言える。なお、同年ダイエーは最下位に終わった。
写真=BBM