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プロ野球回顧録

広島カープ快進撃で思い出す1984年の優勝

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會澤のサヨナラ打でマツダ広島はお祭り騒ぎに



 4月18日、DeNA戦(マツダ広島)、9回表を終えて2対3とリードされていた広島だったが、その裏、四番・新井貴浩から鈴木誠也エルドレッドと3連打で、まずは同点。さらに一死二、三塁から途中出場の捕手・會澤翼がセンター前に運び、サヨナラ勝ちを飾った。これで開幕から16試合で12勝3敗1分。2位の阪神とは2.5差で首位を突っ走っている。

 こんなに強いカープは過去にあったのかとⅤイヤーを振り返っていくと、1984年が出てきた。この年、開幕から1勝1敗の後、なんと12連勝。4月は14勝2敗2分で、2位の中日に5ゲーム差と独走態勢を固めた。この年は、その後、中日に追い上げられ、8月には抜かれた時期もあったが、9月に猛スパートで首位を奪い返し、4年ぶりの優勝を手にしている。

 同年、チーム打率.274はリーグ2位ではあったが、盤石だったのが投手陣だ。リーグトップのチーム防御率3.37をマークし、防御率トップ10の中には小林誠二(1位)、大野豊(2位)、北別府学(6位)、山根和夫(8位)がいた。最優秀防御率の小林は76年に広島入りしたが、81年に西武移籍、この年は復帰1年目だった。達川光男捕手が「見えても打てない」からと〝見える魔球〟と命名したパームボールを武器にシーズン途中から抑えに定着。優勝を決めた10月4日の大洋戦(横浜)ではシーズン2度目の先発で完投勝利を飾り、胴上げ投手にもなっている。

 MVPには初の打点王に輝いたベテランの衣笠祥雄。新人王となった小早川毅彦、9月に2試合連続サヨナラ弾を放った背番号0の長嶋清幸も話題となった。日本シリーズでは三冠王ブーマー擁する阪急(現オリックス)を破って日本一となっている。

写真=佐藤真一

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