
野田のフォークに、ロッテの打者のバットは面白いように空を切った
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は4月21日だ。
昨日20日の
ソフトバンク戦でロッテのドラフト1位・
佐々木千隼がZOZOマリンで今季2度目の先発をしたが、初登板の6日(
日本ハム戦)はマリン名物の強風に苦しめられながらもプロ1勝目を挙げている。
4月21日は、この強風を味方にした男がとんでもない記録を作った日だ。
1995年、千葉マリン(当時)はすさまじい強風が吹き荒れていた。ロッテの先発は
小宮山悟、
オリックスは
野田浩司で投手戦となる。現在、ソフトバンクの
千賀滉大の“お化けフォーク”が話題となっているが、野田はその元祖。命名者は
ヤクルトの監督だった
野村克也の「あれはお化けや。消えた」の一言だったとも言われる。
バックスクリーン方向から吹き込む海風がはね返り、バッテリー間は逆風。野田がフォークボールを投げると、その風を受け、球がベースに垂直に落ちた。まさに“お化け”である。初回から面白いように奪三振を重ね、7回裏の3三振で史上タイの17、8回裏で単独トップの18、さらに9回には19個目を奪った。
しかし9回裏に同点に追いつかれると野田は交代。1対1で迎えた延長10回裏に代わった
平井正史がつかまり、サヨナラ負けとなった。試合後、テレビなどの取材が殺到していた野田だが「悔しくて、全部断ってもらいました」と振り返る。
1月17日、
阪神・淡路大震災。「がんばろうKOBE」を合言葉に、球団名がオリックスとなって初の優勝を飾った年だ。
写真=BBM