
東海大相模高の前に完敗を喫したが、それを糧にして成長を誓う三羽
春季神奈川県大会は4月22、23日に4回戦が行われ、8強が出そろった。準々決勝へ進出したのはすべて私学。16強に残った
大和南高、弥栄高が敗退し、公立勢は消えた。
23日、大和南高のエース右腕・三羽達也は強豪・東海大相模高に挑んだが、12失点を喫し5回
コールドで敗れ去った。
三羽は1年秋から主戦で、2年夏も2試合に登板。今春の3回戦では昨春の県大会準優勝・日大高から勝利を挙げ、経験豊富なはずだった。
しかし1回表、制球が定まらず、約15分に及ぶ猛攻を受けた。打者14人に対し、7四球で9失点。2回には三者凡退で立ち直ったかに見えたが、3、4回にも計3失点。5回は走者一塁から三ゴロ併殺に取るなど、本来の投球が戻ったものの、時すでに遅しであった。東海大相模高の伝統のタテジマのユニフォームを前に、冷静さを欠いてしまったのだ。
「もともとでかい壁はあったが、自分で勝手に壁を作ってしまった。実力不足、未熟さを感じました」
今春、星槎国際湘南高の本格派右腕・
本田仁海が「プロ注目」として騒がれているが、三羽とは小、中学校の同級生だった。
三羽はつきみ野中で三塁手。だが「もともと投手をやりたかった」と、3年春に投手に転向している。3年時は本田との2本柱で市大会、県央大会を突破して、県大会に出場した。
実は「野球は中学まで」と決めていた。だが、大和南高に入学すると「やっぱり、自分には野球しかないのかな」と、野球部に入部している。
昨秋は地区予選3連敗で、県大会にすら出場できなかったが、冬場の鍛錬で急成長。120キロ後半のストレートをコーナーに集め、カーブ、チェンジアップのコンビネーションで抑えるパターンが確立された。
チームの目標は「公立No.1」。
本田へもライバル意識が芽生えてきており「同じ高校生。同じ立ち位置までいきたい」と、飛躍を誓っている。今春の県大会16強の結果により、夏の県大会では第3シードとなる大和南高。“打倒・私学”を実現させるため、地道に力を蓄えていく。
文=岡本朋祐 写真=BBM