
横浜スタジアムの一塁側ベンチで指揮を執るラミレス監督(中央)
敵地での
中日3連戦を2勝1敗と勝ち越し、勝率を5割に乗せた。今日(5月12日)からは本拠地での
阪神3連戦を迎える。去年、同カードの横浜スタジアムでの成績は3勝8敗1分と大きく負け越しており、
DeNAにとっては鬼門ともいえる。
初戦は
メッセンジャー、2戦目には天敵・
藤浪晋太郎の登板が予想され、簡単な試合にはならないだろうが、ラミレス監督は何とか勝ち越して今季初の“貯金生活”を期待している。
さて、そのDeNAの指揮官に『週刊ベースボール』の「外国人特集」(5月17日発売 ※一部地域を除く)でインタビューを行った。ラミレス監督を見ていてずっと気になる点があった。それは試合中に、決してベンチに座ることがないこと。プレイボールからゲームセットまで仁王立ち、その姿を崩すことはないのだ。
理由をインタビューで聞いてみた。
「選手たちがベンチにいる監督を見たときに、『監督は準備万端だ』と思わせることは大切です。『監督はいつも試合に集中しているな』というのが伝わると思うからです」
試合中に監督が指揮を執るスタイルは人それぞれ。攻撃のときだけ立って指揮する監督もいれば、常に座っている指揮官もいる。ベンチの奥から物陰に隠れるようにグラウンドを見つめるタイプもいる。
そのなかでラミレス監督は、2つの疑問を自らに問いかけた。
“ベンチで選手から自分がどう見られているのか”
“どう見られるのがチームにプラスになるのか”
そして常に最前線に立ち、真っすぐ前を向いて戦況を見つめることで、頼りがいのある姿を意識するようになったという。
些細なことではあるが、指揮官のベンチでの立ち振る舞いからラミレス流のこだわりを感じ取ることができた。
文=滝川和臣 写真=榎本郁也