
3回裏、三塁線を破る二塁打で記録を更新した立浪
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は5月19日だ。
2017年5月17日の
巨人─
ヤクルト戦(東京ドーム)でヤクルトの
雄平が2本の二塁打をマークし、リーグ最多の16本となった。これは2001年シーズン最多52本の二塁打を放った
谷佳知(
オリックス)をしのぐハイペースだ。
2005年5月19日は、いわば“二塁打記念日”である。
中日の
立浪和義が交流戦の
日本ハム戦(札幌ドーム)で、
福本豊(阪急)の通算449二塁打を更新するプロ野球新記録通算450本目の二塁打を放った日だ。立浪はプロ18年目の達成。「プロに入ったときは、こんな大記録を達成できるとは思わなかった。実感はまだないです」といつもどおり謙虚な言葉を残している。
福本は盗塁数(1065)、三塁打(115本)でも通算最多記録を作っており、二塁打を含め、いずれも抜かれることはないと思われていた。
06年以降代打が増えたことでペースを落としたが、立浪は引退までに記録を487に伸ばした。これもまた、不滅の記録になりそうだ。
ただ、いま『週刊ベースボール』でコラムを執筆してもらっている立浪氏に、この記録を尋ねると、いつも同じ答えが返ってくる。
「福本さんは足が速いから、二塁打を三塁打にしただけです。僕が本当に勝ったわけじゃない」
謙虚さは現役時代から変わっていない。近年不振が続くドラゴンズ。この男のユニフォーム姿を待つファンは少なくない。
写真=小山真司