
イスに座ることなく、一方的にまくし立てて去って行ったコリンズ監督
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は5月21日だ。
現在、泥沼の低迷に陥る
ロッテ。
伊東勤監督とフロントの軋れきもウワサされる異常事態だ。
昨年は
中日・
谷繁元信監督が成績不振の責任を取って途中休養。実際には途中交代なのだが、日本球界は昔から、この休養という便利な言葉を使う。
伊東監督は選手の信頼が厚く、監督としての手腕にも定評がある。中日と同様のケースにはならないとは思うが、このまま低迷が続くようならXデーがないとは言えない。
過去、シーズン途中の監督休養は、だいたいが成績不振の責任を取ってだったが、時々、本当の体調不良や、あと意外と多いのが「逆ギレ」だった。成績不振でフロントから采配に口出しされ、プツンと切れるパターンだ。
近年では2008年5月21日、
オリックスのコリンズ監督の辞任劇がすさまじかった。
この日、交流戦の
阪神戦(スカイマーク。現ほっともっと神戸)後に緊急会見を行い、質問を一切受け付けず、イスにも座らず、一方的にまくし立てた。
「プロ野球の監督を務めるには、体の中から燃え出てくるようなエネルギッシュなものがないといけない。炎のように、燃えるものが必要だ。私のなかで、その火が消えてしまった。今がタイミングだと思う」
開幕から低迷を続けていたチームだが、5月20日にようやく最下位を脱出。状態も上向き、巻き返しはこれから、と思われた中での発表だった。
07年監督就任。米球界での経験をそのまま選手に押しつけ、選手たちとのコミュニケーションも不足。常にギスギスしていたことは確かだが、球団の慰留も受け入れず、職場放棄とも取れる突然の辞任は衝撃的だった。
翌22日から
大石大二郎ヘッドコーチが監督代行となり、8月2日に監督となった。
写真=佐藤真一