過去12度のうち6度、最高勝率をマーク。交流戦はソフトバンクのお家芸だ。先発投手の層が厚いチーム構成が、6連戦が3週続く日程にマッチしていることが2年連続最高勝率の理由の一つだろう。
3連戦の頭を任される
東浜巨、
バンデンハーク、5月28日の
日本ハム戦(札幌ドーム)で復帰登板を果たして勝利を飾った
千賀滉大の安定感は際立つものの、
和田毅、
武田翔太が離脱中で、結果を出せていない
中田賢一、
攝津正のベテランも含めて先発投手陣に不安要素が大きい今季は打線の奮起がカギになる。
柳田悠岐、
内川聖一、
デスパイネで構成するクリーンアップは強力で、下位打線では
松田宣浩が復調、
上林誠知の台頭で打線につながりが生まれた。一番・二塁は川﨑宗則、
本多雄一、
明石健志、
川島慶三を併用。二番・
今宮健太が打線をつなぐ。9人制で戦う、
DeNA、
巨人、
広島との3カードでは打撃不調の
中村晃の代わりに内川を左翼に回し、デスパイネを一塁に就かせる布陣も考えられる。
日ごろから対戦することがない他リーグとの戦いはデータが乏しいだけに、より純粋な力の勝負となる。個の能力が高い選手がそろうのも交流戦の戦いを優位に進められてきた理由の2つ目に挙げられる。別の視点から見れば、データ以上にその場の展開による対応力が問われるのがバッテリーの配球。現在、東浜とコンビを組む
甲斐拓也が、この戦いを契機にほかの投手とのコンビで先発マスクをかぶる機会を得る可能性もある。髙谷裕亮、
鶴岡慎也といった経験豊富なベテランが控えるうちに世代交代を一気に進めるのも手だ。
昨年、それまで代走、守備固めのスペシャリストとして「キドコロ待機中」のフレーズで知られた
城所龍磨が一気にブレークしたのがこの交流戦だった。プロ入りから12年でわずか1本だった本塁打をこの3週間だけで5本。最高打率の.415をマークしてMVPを獲得した。思わぬ起用が結果に結びつく例もある。
チームは交流戦開始時点で首位・
楽天と3.5ゲーム差の2位につける。
中日とのカードからスタートし、DeNA、
ヤクルトとセ・リーグのBクラスチームとの対戦から入る日程も勢いをつけそう。2年ぶりの優勝へ向けて足場を固める3週間がスタートする。
写真=BBM