
昨季の交流戦で大ブレークを果たした鈴木誠也
昨季に25年ぶりのリーグVを果たした
広島は、交流戦を追い風として一気にシーズンを駆け抜けた。セ・リーグでは最高位となる3位に着け、唯一の貯金5を稼ぐことに成功。独走態勢を築いた。
勝ち方も劇的だった。9試合のホームゲームのうち、4試合でサヨナラ勝利を飾った。6月17日~19日の
オリックス3連戦(マツダ広島)では鈴木誠也がサヨナラ、サヨナラ、決勝と3試合連続本塁打。この試合を挟んでチーム32年ぶりの11連勝をマークするなど、シーズンの流れを決定づけた期間となった。
昨季が2009年以来7年ぶり3度目の交流戦勝ち越しだったように、本来は鬼門となっていたが、苦手意識を払しょくすることに成功。再び貯金量産を狙っていく。
3連戦が続く中で戦況を大きく左右しそうなのが、安定した先発ローテーションを組めるかどうか。そのためには昨季に外国人投手としては52年ぶりに沢村賞を受賞した左腕エースのジョンソンと、最多勝、勝率第一位投手の二冠に輝いた
野村祐輔の存在が欠かせない。ジョンソンは咽頭炎のために4月から戦線を離脱。野村祐輔は5月23日の
ヤクルト戦(マツダ広島)で先発したものの、腰の違和感のために3回で緊急降板。翌日に登録を抹消された。5月28日現在でともに復帰時期は未定。
岡田明丈、
九里亜蓮、
大瀬良大地ら若き力が奮闘しているが、左右の両輪が復帰できれば精神的な負担は減るはずだ。
また、救援では、腰痛症のために約1カ月半にわたって離脱していたクローザーの中﨑翔太が5月23日に一軍復帰。中﨑に代わって抑えを務めていた
今村猛、
ジャクソンとの勝利の方程式が復活し、得意のリードを保って逃げ切る戦い方ができるようになった。
打線では大きな離脱者はおらず、その破壊力はパ・リーグの投手陣を前にしても衰えることはない。注目は四番に定着した鈴木。昨季は前述の活躍ぶりで、一躍スターダムに駆け上がった相性のいい舞台。再び打棒爆発となれば主砲の座はますます確固たるものとなるだろう。
鈴木以外にも
田中広輔、
菊池涼介、
丸佳浩の一、二、三番や、高打率を維持する
安部友裕。勝負強い
新井貴浩、
エルドレッドなど迫力十分。投手陣を強力に援護していく。
写真=BBM