
5月28日の中日戦(ナゴヤドーム)で先発・星が2勝目。若い力の台頭はチームにとって明るい材料だ
WBCに出場していずれもベスト4入りに貢献した
山田哲人と
バレンティンが、いずれも序盤戦で苦しんだ。特に山田は4月、打率は一時1割台まで落ち込み、前人未到の3年連続トリプルスリーに早くも黄信号。危機的状況に陥っていたが、5月に入ると復調気配を見せ、5月11日の
広島戦(神宮)では自身2年ぶりとなる4安打をマークする。真っすぐを待ち、変化球に合わせる本来のスタイルが戻り、「迷うことなく自分のスイングができている」と手応えを感じている様子。交流戦を急浮上のきっかけとしたいところだ。
バレンティンも序盤戦は本塁打数も伸び悩み。WBCで見せた爆発力は鳴りを潜めたままだ。開幕からほぼ四番に固定されていたが、打撃好調の
雄平と入れ替わり、五番に座ることも。相手への暴力行為、球審への暴言ですでに2度も退場処分を受けており、チームへ及ぼす悪影響は小さくない。
三塁手・
川端慎吾、一塁手・
畠山和洋の故障離脱も影響している。いずれも中軸を任される存在だっただけに、その破壊力は確実に目減り。ただ、
荒木貴裕が5月14日の中日戦(松山)でサヨナラ満塁弾を放つなど、新たなヒーローの台頭も。総力戦で挑むしかない。
投手陣では先発3本柱の
石川雅規、
小川泰弘、ブキャナンだが、なかなか白星が伸びないままだ。先発が好投手ながら救援陣が粘れず、終盤で追いつかれるシーンも多かった。昨季は安定感抜群だったクローザーの
秋吉亮も、勝負どころで粘れない姿も露呈している。
先発の台所事情は苦しい。そんな中で光明と呼べるのは、
由規の復調気配とドラフト2位ルーキー・
星知弥の台頭だ。特に星はシーズン途中に先発に転向し、早くも2勝を挙げている。交流戦でも先発の一角として好投が期待される。
救援陣ではルーキ、
石山泰稚がフル回転しているが、決して万全とはいえない。新たな戦力の台頭が待たれるところだ。
昨年は11位に低迷するなど、交流戦は得意な舞台ではないが、何とか再浮上のきっかけをつかみたい。
写真=BBM