
阪神の外野手、スカウトを経て、今季から福井の指揮官を務める北村照文監督。選手の一芸を伸ばす指導を心掛ける
BCリーグには阪神に在籍したことのある監督が4人いる。そのうちの1人が福井の北村照文監督。俊足好守の外野手として1985年の日本一に貢献し、引退後は22年間にわたって阪神のスカウトとして選手発掘に力を注いだ。昨秋、スカウトとして一区切りがついたとき、福井から監督就任を要請された。
「福井は初代監督が
藤田平さん、前任も
吉竹春樹さんが監督で、よく選手の視察に来た。ご縁があった」
スカウトとしての経験から、NPBから指名されるための必要な条件を選手に説いている。
「投げる、打つ、走る……どれもが平均的な選手というのは監督として使いづらい。やはり一芸に秀でた選手……足が速い、肩が強いなど、長所を伸ばしていくことが大事」
今季はトップの森亮太が打率.336、リーグトップの29盗塁(6月11日現在)を決め、〝一芸〟であるスピードあふれるプレーを前面に押し出している。
選手の練習に目を細めながら、「20代の若い選手と還暦のオヤジが一緒に野球ができてうれしい」と笑う北村監督。創設10年目の節目を迎えた球団を悲願のリーグ優勝に導く。
文=岡田浩人