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高校野球リポート

「日本一の米」で作られた阿蘇中央高のおにぎり

 

阿蘇中央の農業食品科では無農薬、無化学肥料の米4品種を生産。女子マネジャーは心を込めておにぎりを作る


 6月19日発売の『第99回全国高校野球選手権大会予選展望号』(週刊ベースボール6月24日号増刊)のチームリポートでは、阿蘇中央高(熊本)を特集している。

 昨夏の甲子園で同校の主将・倉岡真聖(現鮮ど市場ゴールデンラークス)が始球式を行った。同4月に起こった熊本地震からの復興への願いを託したボールに、4万3000人の観衆からは大きな拍手が送られた。

 あれから1年――。�爐△裡欝絖瓩�もたらした意味を追いかけるべく、阿蘇へと向かった。

 阿蘇中央高は2010年に阿蘇高と阿蘇清峰高が統合。普通科、総合ビジネス科は阿蘇校舎、農業食品科、グリーン環境科、社会福祉科は阿蘇清峰校舎で授業を受けている。

 農業食品科では無農薬、無化学肥料の米4品種を生産・販売し、地域活性化に寄与している。同校では5枚の水田を所有しており、取材当日も田植えの日だった。

「日本一の米」を自負している阿蘇中央高は『全国お米甲子園』で2度の金賞の実績があり、昨年もプレゼンテーション部門(商品を売り込む能力を競う)に出場し、優秀賞を受賞している。

 練習後の空腹を満たす補食の「おにぎり」は当然、�犲�家製�瓩諒討鮖藩僉N�習開始早々、女子マネジャーは調理を始め、一つひとつ、心を込めて握る。出来上がると、後藤至成部長は「試食してみてください!」と、気を使ってくれた。

 練習終了まであと約1時間後だが、選手よりも前に、ご馳走になった。つまり、出来立てのホヤホヤである。

 おいしい!! 歯ごたえ十分で、甘みもある。阿蘇中央高グラウンド付近に湧き出ている、地下水が米の味を引き立たせているのだ。

 練習後、選手たちはおにぎりを求めて集まってきた。そこで交わされる監督、部長、コーチとの何気ない会話に、チームの絆の深さを感じた。

 昨年の大地震から約1カ月、学校は休校となった。授業再開となった5月11日、後藤部長(当時は監督)は部員たちに、どんな言葉をかけようかとじっくり考えたという。

「ニコニコしていた。皆で集まれることがうれしかったようです。私からは何も言う必要はなかった。チームっていいな、と」

 昨夏の始球式を通じて、後輩たちにとってはるか「遠い場所」だった甲子園が、身近になったという。今夏の目標はチーム最高成績の16強を上回る4強。「おにぎりパワー」で、阿蘇中央高が熊本の夏を熱くする。
文=岡本朋祐 写真=上野弘明
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