
キンタローズの面々。一見草野球のおじさんたちにも……
プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は7月3日だ。
タイトルで桃太郎対金太郎とあおったが、おとぎ話の登場人物2人が野球で対決したわけではもちろんない(金太郎は実在人物の話を膨らませたもので、おとぎ話ではないが)。
1936年からスタートした日本プロ野球のリーグ戦20周年を記念した1956年のオールスター戦。その前座試合で結成された「モ
モタローズ」と「キンタローズ」の戦いだ。7月3日は後楽園(第2戦は翌4日で同じく後楽園)で、まず1試合目が行われた。
モモタローズを率いるのが市岡忠男監督、キンタローズが三宅大輔と、ともに元
巨人の代表と監督。選手たちは156センチの小兵ながら48歳まで投げた
浜崎真二(元阪急)、日本初の300勝投手・
スタルヒン(巨人ほか)、セカンド守備の名手・
苅田久徳(東京セネタースほか)ら懐かしのOB選手たちが60人以上集まった。試合は同日、さらに翌日とも「モモタローズ」が勝利を飾ったが、正直、勝敗はどっちでもよし。やや太めになった往年の名選手たちが楽しそうに白球を追い、好プレー、珍プレーを連発。客席から何度も笑いが沸き起こった。
表彰のほうも一風変わっていて、「失策賞」「尻餅賞」「ノックアウトされ賞」「悪球打ち賞」、さらに「ベンチ温め賞」とユニークな賞が続々。いまのオールスターでもOB戦を採用してみてはいかがか。
写真=BBM