
トヨタ自動車のマスコットを務める鵜飼里奈さん
第88回都市対抗野球大会が7月14日に東京ドームで開幕。ベンチには部長、マネジャー、指導スタッフ、選手のほかに、社内から選ばれた“強力援軍”がいる。同大会前で「勝利の女神」と言われるマスコットだ。
試合前後、ホームプレート前に整列する際には監督の横に並ぶ。チームの一員であり、社員の代表でもある。
攻撃中はネクストサークルの背後に陣取り、本塁打が飛び出した際には、「ホームランガール」として、選手を出迎える。
昨年の覇者・トヨタ自動車のマスコットを務める鵜飼里奈さんは、筋金入りの野球好き。ソフトボール経験者で「肩は強いほうでした」と、ショート兼センターだった。地元・愛知県出身で当然、
中日ファン。仕事帰りに上司に誘われ、名古屋ドームへも足を運ぶという。
野球部幹部からのマスコット打診に、鵜飼さんは断る理由がなかった。トヨタ自動車は前年度優勝のため、予選免除。少しでもチームのことを知ろうと、オープン戦を数試合観戦。野球部史にも目を通して、これまでの足跡を頭に入れ、事前準備は万全だった。会社愛に溢れている。
「一番近くで応援します!!」
すっかり、チームにも溶け込み、以前から仕事でも関わりがある佐竹功年主将(早大)は言う。
「勝利の女神、と言われますが、自分たちのプレーがすべて。鵜飼さんにとってマスコットは一度の機会。結果を残して、良い思いをしてもらいたいです」
マスコットは選手と同じデザインのユニフォームを着用し会社、野球部のために全身全霊を傾ける。
文=岡本朋祐 写真=佐藤真一