現地時間9月1日から始まる「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」。清宮幸太郎を主将とした“高校生ジャパン”がカナダで世界を相手に奮闘を繰り広げる。悲願の世界一へ――。若きサムライたちの戦いを追う。 「スターとして有名なのはどんな気分?」

地元ラジオ局の取材に答える清宮
ついに、得意の語学力を披露する場がやってきた!?
11チームが集結した開幕前日(8月31日)の記者会見(メキシコは天候不順による到着遅れ)。これまでの慣例だと、出席した主将が一言、大会への意気込みをスピーチする時間あった。だが、今回は司会者の流れに委ねられ、侍ジャパンU-18主将・清宮幸太郎(早実)に話が振られることはなかった。
日本は9月1日からのオープニングラウンド5連戦を終えて4勝1敗。グループBを2位で7日からのスー
パーラウンド進出を決めた。6日は予備日となっており、午前中に約90分、軽い調整で汗を流した。練習後、地元・カナダのラジオ局が清宮を取材。しかし、通訳を挟んだため、英語を使うシーンは訪れなかった。
だが、インタビュー内容は興味深い。清宮へ対しての知識がほぼ“無”であったから、奇想天外な質問のオンパレードであった。
――日本では有名だが、カナダではあまり知られていない。日本でスターとして有名なのはどんな気分?
清宮 実感がないというか、すごく取り上げてくれるのはうれしいこと。だからと言って変わることはない。知らない人がたくさん、声をかけてくれるくらいです。
――レストランとかで「サインをください」と言われるのはどうですか?
清宮 日本では学校にダメだ、と言われているので断っています。
――いつ、自分がみんなよりすごい選手だと分かったか?
清宮 そんな別に……。すごいと思っていないですよ。普通です。
――カナダに来て、日本の30、40人いる報道陣に囲まれてインタビューを受けることは?
清宮 自分は昔から人前で話すことがあった。あんまり緊張していないですし、猫をかぶることもないありのままの自分という感じですかね。
――父(清宮克幸氏)も有名な方ですが、アドバイスは?
清宮 インタビューのときに揺れるな、目線をずらすな。こういう言葉はやめろとか言われます。
最後に突いてきた“核心”
そして、最後の質問。いま、最も知りたい“核心”を突いてきた。何の意図もなく、素直な疑問をぶつけてきたに過ぎない。
――次のステップ、将来は?
清宮 まだ決めていないです。大学に行くか……、(声が小さくなり)プロに行くか……まだ決めていないです。
7月30日、西東京大会決勝敗退後に「将来」については言葉を選んで、こう答えていた。
「まだこの先、どうするかは考えていない。どこへ行くにしろ、レベルは高くなる。この高校野球よりも長く野球をやると思うので、ここがマックスではなくて、まだまだ成長できると思う」
記者から「大学、社会人、プロほか、すべての選択肢があるのか?」と問われると「そうです」と答えた。これまで、具体的な進路を口にすることはなかっただけに、一歩、前進!?
インタビュー後、清宮は「あまり考えたことがないことを聞かれました。(日本と)違うというか、こういうことを聞いてくるんだ」と困惑気味の表情を見せた。
「(英語は)何となく分かったかな」と貫録を見せたかと思えば「でも(通訳が)いてくれて良かったです」と、30人の報道陣に囲まれながら、バスへと乗り込んだ。
一つだけ言えるのは進路の「最終決断」は、帰国後にずれ込むであろう、ということだ。
<次回に続く>
文=岡本朋祐 写真=BBM