目立ち始めた新人先発の台頭

9月5日の日本ハム戦(富山)で2勝目を挙げた楽天の希望の星、藤平
連敗ストッパーというより、実際には8月15日から9月6日まで楽天で唯一勝利の投手となっている18歳右腕・
藤平尚真、
巨人の先発ローテに定着した
畠世周。さらに、すでにチームのエース格の活躍を見せている
オリックス・
山岡泰輔、
DeNA・
濱口遥大。シーズン終盤に来て、新人先発投手の台頭が目立ち始めている。
流れが始まった起点をどこに置くかは微妙だが、ひとまず8月18日、
ロッテの
酒居知史の初勝利、初完投からとしよう。
以後、9月6日までの新人先発投手の結果だ。
19日=山岡5勝目。
20日=濱口と畠が投げ合い、畠が3勝目。
22日=藤平が初勝利、
阪神・
小野泰己、勝敗つかず。
25日=酒居2勝目。
26日=山岡が完封で6勝目、巨人・
谷岡竜平が敗戦。
27日=畠4勝目、濱口8勝目。
29日=小野1勝目。
31日=オリックス・
山本由伸が初勝利。
1日=酒居3勝目、
中日・
笠原祥太郎、勝敗つかず。
2日=山岡7勝目、畠5勝目。
3日=濱口9勝目。
5日=藤平2勝目。
ほか、リリーフではDeNAの
尾仲祐哉が1勝、オリックスの
黒木優太が1勝1敗となっている。
要は新人先発で黒星がついたのは、新人同士の投げ合いとなった20日の濱口、緊急登板の谷岡だけ。かなり高い勝率と言えるだろう。
当初から結果を出していた濱口、山岡は別格として、シーズン終盤、どのチームも投手のコマ不足、選手の疲労度が増す中、例年も同じような傾向はあるが、今年は顕著なシーズンと言える。
また、高卒入団は、横浜高の藤平と都城高の山本のみ。大学、社会人のキャリアを見ると、神奈川大の濱口、東京ガスの山岡、近大の畠、大体大─大阪ガスの酒居、富士大の小野、東芝の谷岡、新潟医療福祉大の笠原。リリーフは尾仲が
広島経大、黒木が立正大となっている。そもそも上位指名自体が少なかったことはあるが、東京六大学、東都大学出身者が黒木1人は、やや寂しい。
果たして、この“新人先発快進撃”は、閉幕まで続くのだろうか。
写真=BBM