
1試合3二塁打を放つなど打撃好調のオコエ
もはや「勢い」だけでは片付けられない活躍を見せている。高卒2年目の外野手・
オコエ瑠偉。昨季は「地元のファンの皆さんにオコエのプレーを見せてあげたい」という梨田監督の温情もあり、高卒ルーキーながら51試合に出場したが、22安打、打率.185と、特に打撃面でプロの壁を経験していた。
だが、今はどうだ。そのバットで結果を残し、自らの手でレギュラーの座をつかんだ。前半戦を故障で棒に振り、37試合と少ない出場ながら、すでに昨季を上回る38安打。打率.319と上々の数字を残している(9月21日現在)。
9月19日の
日本ハム戦(Koboパーク宮城)では、球団最多タイ記録となる1試合3二塁打をマークした。4回に右中間へ落ちる飛球を放ち、これが適時打になると、自身は快足を飛ばしてこの日2本目の二塁打とした。そして6回に3本目の二塁打を放つと、その後三進し、三ゴロの間に生還。スピードでも地元ファンを魅了した。20歳での3二塁打は06年の
鉄平(23歳)を抜き、同史上最年少記録となった。
そんな若武者のプレーぶりを、首脳陣はどう見ているのか。普段は厳しいコメントの多い梨田監督も「追い込まれても打てるようになった。成長を感じる」と、さすがに目を細めていた。
攻守走で積極性が持ち味だが、ときにはそれが裏目に出ることもある。9月8日の
オリックス戦(Koboパーク宮城)の守備。2対3と1点ビハインドの8回二死一塁の場面で、右翼線の飛球に果敢に飛びつくも捕球できず、適時三塁打を許した。確実に捕球していれば単打の場面。
池山隆寛チーフコーチは判断ミスを厳しく指摘し、「経験を積んでほしい」。梨田監督も「試合展開を見ながらやってもらわないと」と顔をしかめた。これには本人も「結果的には飛びつかないほうがよかった」と反省している。
失敗を経験しながらも、止まらない成長。これから始まるCSというもう一つの「真剣勝負」で、20歳の外野手はどんなプレーを見せるか。そして、首脳陣は最終的にどんな「評価」を下すのか。そんな興味をかき立てられる選手が、今の
楽天に存在する。
文=富田 庸 写真=桜井ひとし