
小刻みな継投で第3戦をモノにしたDeNA
■10月20日 CSファイナルステージ第3戦(マツダ広島)DeNA1-0広島 CSファイナルS第3戦はDeNAが小刻みな継投で広島打線を完封。広島の1勝のアドバンテージを含む戦績を2勝2敗のタイに戻した。
連敗を喫した広島だが、収穫は
今村猛、
一岡竜司、
ジャクソン、
中崎翔太の勝ちパターンのリリーフ陣が、DeNA打線を6回からの4イニングにわたって封じ込めたこと。中盤までにリードを奪うことができれば勝利への道筋が見えてくる。
対照的に打撃はCS3戦目でも苦戦を強いられている。この日は4、9回以外は走者を出したがホームにはかえせず。レギュラーシーズンではリーグ最多の116犠打を記録したが、
石原慶幸が2度のバント失敗。8回無死一塁では
菊池涼介がバスターを敢行したものの、二塁併殺打に終わった。爆発的な攻撃力が武器の広島打線だが、足や小技で泥臭く走者を進め、1点ずつ積み重ねていくのがその本質。第4試合でリズムを取り戻すことができなければ窮地に追い込まれてしまう。
DeNAとしてはCS突破まであと2勝とし、
今永昇太、
ウィーランドの2枚看板を残す理想の展開に持ち込むことに成功。精神的には大きく優位に立っている。
ただ、気がかりなのがCSファーストSから登板を重ねているリリーフ陣。エスコバー、
三上朋也、
パットン、
山崎康晃はすでに3試合以上に投げ、第3戦では先発の
井納翔一から6投手をつぎ込み逃げ切った。台風接近で21日、22日の試合開催が危ぶまれていることも含んでのマシンガン継投だったが、予定どおり試合が行われた場合、疲労した投手がつかまり赤ヘル打線に火をつけることにもなりかねない。第1戦では5回雨天
コールドでの敗戦と雨に泣かされたが、今回は“恵みの雨”となるかもしれない。
一方の広島も、順延となれば第1戦、第2戦で先発した
薮田和樹、
野村祐輔を、再度登板させられる可能性が高くなる。
10時50分現在、マツダ広島では雨が降り始め、グラウンドの芝生やブルーシートを濡らしている。天候を味方につけるのは果たしてどちらのチームになるだろうか。
文=吉見淳司 写真=小山真司