■10月29日 日本シリーズ第3戦(横浜)
DeNA 2-3ソフトバンク
横浜スタジアムに舞台を変えても、流れは変わらなかった。ソフトバンクは3戦続けて初回に一番の
柳田悠岐が安打で出塁して先制のホームを踏むと、4回には一死二、三塁で
高谷裕亮が一度はスクイズをファウルとするも中前適時安打を放って2点を加える。
一方、投手陣は制球が不安定ながらロペスのソロ1本でしのいでいた先発・
武田翔太を5回途中であきらめると、以降は6人をつぎ込む小刻みなリレーでDeNA打線を完全に封じ込める。最後はサファテが危なげなく3人で締め、2年ぶりの日本一に王手をかけた。
DeNAは第2戦で決勝点につながる痛恨のエラーを犯した
倉本寿彦が3安打と気を吐くも、打線がつながらずに9残塁。7つの四死球を生かせなかった。ただし、6回の攻撃では1点止まりに終わったものの、一死満塁、二死満塁とあわや大量得点の見せ場を作り、ハマスタの観衆を沸かせた。
過去2戦と違い、チャンスは作ることができた。投手陣も先発・
ウィーランドのあとを受けたリリーフ陣が踏ん張っただけに、“あと1本”が生まれて打線に火がつけば、勝機は見えてくる。
ソフトバンクはこれまでどおりに柳田が出塁して先制点を奪うことができれば、質量ともに盤石のリリーフ陣を生かした“自分たちの戦い”ができるだろう。
工藤公康監督も「一気に行けるように。(明日も)初回から全員でフルスロットルでいきたい」と、4連勝で頂点に駆け上がるべく気迫をみなぎらせている。
文=杉浦多夢 写真=小山真司