
タイガース創設メンバー
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は12月10日だ。
1934年12月26日に大日本東京野球倶楽部(のち
巨人)が誕生。その中心となった読売新聞社主・正力松太郎は、20年に発足した日本最初の職業野球チーム・日本運動協会が1チームのみの構成で、対戦相手をアマに求めて失敗したのをかんがみ、米球界同様、複数チームのリーグ戦を目指した。その際に声を掛けたのが東洋最大の球場・甲子園を持つ
阪神電鉄だった。
阪神では10月1日には設立に向けた準備委員会が発足し、フロントの組織づくり、選手の勧誘と動き始めたが、当初、誕生への動きは秘密裡に行われた。おそらく情報が漏れることで反対意見が強まることを恐れたのだろう。職業野球は、まだ海の物とも山の物とも分からなかった。
しかし、10月10日になって、なぜか読売新聞が「大阪でも職業野球結成」と報じ、世間にパッと広がった。12月10日は、日本で二番目の職業野球団・大阪野球倶楽部が誕生した日だが、実は社内稟議に決裁が下りたのが12月6日というあわただしさだった。ちなみに社内公募で球団のニックネームが「タイガース」と決まったのは翌36年1月10日だったという。
写真=BBM