
ドラフト時、慶大での1枚
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は12月12日だ。
1995年12月12日、ドラフト1位の慶大・
高木大成捕手が契約金1億円、年俸1200万円(いずれも推定)で
西武と正式契約。その後、西武では
清原和博以来10年ぶりとなる単独での入団会見を行った。学生服の上にユニフォームを着て西武球場でポーズを取り、オーロラビジョンには「めざせ新人王」の文字が浮かぶ。
「これまでは実感がわきませんでしたが、契約書にサインしてようやくプロ野球人生を歩んでいくんだな、と身の引き締まるような思いになりました。少年野球をやっている子どもたちが目標にするような選手を目指します」
慶大時代から強打の捕手として鳴らすも、西武には絶対的捕手の
伊東勤がいた。球団内でも打力を生かし、外野にコンバートという声もあったようだが、2年目を迎える
東尾修監督の鶴の一声で、捕手一本が決まった。
当時の西武は過渡期の終盤にあった。清原和博、
秋山幸二、
辻発彦ら黄金時代の主役はもうほとんどいなくなった。甘いマスクで女性ファンが多い高木への期待はグラウンド以外の部分でも高かった。
選手登録名を「大成」か「タイセー」にという東尾監督の発言もあったようだが、これに「実績を残してから」と高木も戸惑い気味だった。
写真=BBM