
鎌ケ谷の勇翔寮の前で記念撮影する清宮。高校通算111本塁打のスラッガーがいよいよプロの舞台に挑む
また、この季節がやってきた──。
1月8日、
日本ハムのゴールデンルーキー・
清宮幸太郎が新人7選手の一番最後、大トリで入寮した。選手寮のある鎌ケ谷には約100人の報道陣、200人のファンが詰めかけるなど注目度の高さはやはり郡を抜いていた。
かつての
ダルビッシュ有、
中田翔、
斎藤佑樹、
大谷翔平らと同じようにスターの系譜を継ぐ初々しい18歳を見ながら、明日から「また怒涛の慌ただしい日々が始まるぞ……」とこちらも気持ちが引き締まった瞬間でもあった。
これまでも何度もルーキーたちの入寮に立ち会ってきたが、恒例の「寮に何を持ってきたのか?」はベタではあるが、やはり気になるもの。ちなみに中田翔は当時ファンだったビーチバレーの浅尾美和のポスターと4つの目覚まし時計、大谷は清水寺の森清範貫主が記した「持己(じき)」と書かれた「己を高く持ち続ける」という意味が込められた色紙だった。好対照でありながらも、当時からお互いのキャラクターがこんなところにもすでに出ていて面白い。
さて、注目の清宮は「特にはないんですが……」と前置きしながらも、名前のイニシャルと背番号の「KK21」と縫い込まれたバットケースに加え、英語の本を持参したという。前日には東大出の
宮台康平が「僕のアイデンティティーなので」とコンパクト版の六法全書を持ち込んで話題をさらったが、清宮も英語の成績は早実でもトップクラスだったこともあり、バットケースと英語の本というチョイスも、清宮の飾らない純朴なキャラクターが出ていていいなと思った。
年末年始に身内に不幸があったこともあり、寮の部屋から手を振ったりなどのシーンはなかったが、いよいよ幕を開けた清宮のプロでの挑戦の日々。「今日という日を迎え、早く環境に慣れてファイターズの一員としてやっていきたい。今までよりも野球に向かう時間も長くなりますし、いろんな面を伸ばすことができると思うので楽しみです」と目を輝かせる18歳は、2018年シーズン私たちにどんなプレーを見せてくれるのか──。
今日からは新人合同自主トレもスタート。鎌ケ谷がまたスーパールーキーフィーバー一色に染まる。
文=松井進作 写真=高原由佳