今年、創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3500号も近づいている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 本文巻頭は『大下弘引退の周辺~波瀾万丈、14年間の清算書』
今回は『1959年10月21日号』。定価は30円だ。グラビアは巻頭が
巨人・
長嶋茂雄の特集。巻末は巨人・
藤田元司、南海・杉浦忠と日本シリーズで対決が予想される両チームのエースを連続写真入りで比較している。
本文巻頭は『
大下弘引退の周辺~波瀾万丈、14年間の清算書』。突如、引退を発表した“青バット”大下弘(西鉄)についてだ。長く故障に苦しんできた大下は、まだ正式の引退ではないが、すでに球団に「野球に疲れたから引退したい」と手紙を出したという。
引退後についてはユニフォームを着ることはなく、「スポーツライターのはしくれでもいいし、できれば野球解説者をやりたい。解説にはボクも自信があるし、やりたい仕事であると思っている」と語っている。実際、大下は名文家として知られ、記者がこの原稿を書くため大下家を訪れた際、筆によるこんな色紙があったという。
「球道無限、心に反省せよ
幾歳の現役生活ぞなすあるはいま
死力を尽くして有終の美を飾らむ」
『ストーブ・リーグ天気図~噂渦巻く十年選手の行方』での注目は、国鉄の
金田正一の去就だったが、移籍の自由があるA級十年選手になるが、おそらく4000万円、5000万円(当時!)と言われる高額の契約金が予想され、どこも手の出さない可能性もあるという話だった。ほかは近鉄の
関根潤三も十年選手として移籍の可能性がささやかれていたようだ。
南海の
鶴岡一人監督が登場する対談は『ジャイアンツへの果し状』(聞き手は野球評論家・芥田武夫)。ただし、「果たし状」は編集部がつけたタイトルで、鶴岡監督はあくまで慎重だ。「(優勝も決まってないし)いまのところは選手権というものが頭にない」と言って、巨人の話を振られても生返事。最後は「この話はもうやめにしようや」とまで言っている。話を読むと、過去4回の日本シリーズで、あるときは意識しなすぎて敗れ、あるときは意識しすぎて敗れたことが、トラウマのようになっている印象がある。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM