野球界発展のために

野球殿堂入りを果たした原氏(左)、金本氏(右)
1月15日、野球殿堂博物館で2018年の野球殿堂選出結果が発表された。
プレーヤーズ部門は、日本が世界に誇る“鉄人”2人だ。1人は、「ゴジラ」と呼ばれ、星稜高、
巨人、さらにメジャーでも多くの印象的なホームランを放った
松井秀喜氏。1993年のプロ1年目途中から2003年ヤンキース移籍以降も含め、1768試合連続出場も果たしている。
もう1人は、現
阪神監督で連続フルイニング出場1492試合の世界記録を持つ
金本知憲氏。94年
広島に入団。猛練習で頭角を現すと、00年にトリプルスリーを達成。03年阪神にFAで移籍すると「アニキ」とも呼ばれ、プレーと背中でチームを引っ張り、03、05年のリーグ優勝に貢献した。
エキスパート部門は、現役時代は巨人の四番として活躍し、引退後は巨人監督を2期務め、7度のリーグ優勝、3度の日本一、さらに09年のWBCでも監督として世界一をつかんだ
原辰徳氏。特別表彰は中京商(現・中京大中京高)時代、捕手として甲子園に2度優勝。その後、中京商高、中京大野球部の部長・監督を務めた瀧正男氏(故人)だった。
会見で金本氏は「野球を始めたころ、ある人に、プロ野球に行ったら、一軍の試合に出て、レギュラーになり、その先には名球会があり、その上には殿堂入りがあると言われた記憶を思い出しました。こんな僕がいただいていいのかな、と恐縮する思いと感謝の気持ちがあります。これにホッとせず、野球界のために協力、発展のためにも頑張っていきたいと思います」と語り、原氏は「賞に選ばれて驚きがありました。選手として大した成績ではなかったですが、コーチ、監督で15年。巨人、侍ジャパンで戦うことができ、いい成績を収められたことで今回選ばれたと思います。今後はアマとプロの垣根を超えて社会貢献などに取り組んでいきたいと、この賞をもらい、さらに強く思いました」と、いずれも喜びに加え、球界の未来に思いをはせた。
また、松井秀喜氏は会見を欠席したが「野球人生最大の師」という
長嶋茂雄巨人終身名誉監督をはじめ、氏の野球人生にかかわったすべての人々への感謝がつづられたメッセージを寄せていた。
松井秀喜氏 メッセージ

NPBでは巨人で通算332本塁打をマークした松井氏
この度、たいへんな名誉であります野球殿堂入りの一報を頂きまして、この上ない喜びと光栄な気持ちであります。
この日を迎えられた事を、先ずは私を応援して下さり、私のプレーをいつも後押しして下さったファンの皆様に心から感謝申し上げます。
球場で頂いた大声援は、今でも私の耳に残っており離れることはありません。本当にありがとうございました。
そして、私の巨人軍入団以来、共に汗を流し、付きっきりで指導して頂きました長嶋茂雄巨人軍名誉監督とのご縁が無ければ、本日の名誉ある日を迎えられなかったのではと感じております。
来る日も来る日も、私のスイングをチェックして下さり、その日々が、打者としての、また野球選手としての大きな礎になりました。
「打撃は生き物だから、日々バットを振って、自分自身と向き合い、常に最高の状態にしておかなくてはいけない」
長嶋監督からのその教えを胸に、選手生活を引退するまでの日々を送りました。
私の野球人生の最大の師であります長嶋茂雄巨人軍名誉監督に、改めまして、この場をお借りしまして心より感謝申し上げたいと思います。
また、私と共に戦いましたチームメートの皆様、スタッフの皆様にも感謝申し上げます。皆様と共に過ごした日々の思い出は、私の生涯の宝物です。
あと、私は20年間プロ野球選手としてプレーしましたが、NPBでプレーしましたのは半分の10年だけです。
それにも関わらず、野球殿堂入りの名誉を頂けました事を関係者皆様に感謝申し上げます。
最後になりますが、本来であれば本日その場にいなければいけないのですが、出席が叶いませんでしたことをお詫び致します。
必ず、7月の授賞式にはファンの皆様に直接お礼をお伝え出来ればと考えております。
改めまして、本日を迎えられました事を私の野球人生で関わりました全ての方々に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2018年1月15日 松井秀喜
写真=榎本郁也、BBM