捕手を座らせビシッと31球
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周囲からのプレッシャーを力に変えて自分を磨く
第2クール初日、ドラフト1位・
東克樹が初めて捕手を座らせてのピッチングを披露した。
ラミレス監督が見守る中、真っすぐ28球、カーブ3球の計31球を投げ込んだ。
「ナイスボールや」。ボールを受ける正捕手・
戸柱恭孝が1球ごとに感心するようにルーキーに声を掛けた。ボールのキレ、力強さは
今永昇太、
濱口遥大ら先輩たちと比べても見劣りしない。時折、ボールを引っかけ制球を乱す場面もあったが、ラミレス監督は「非常によかった。ハードなボールを投げ込んでいたね」と前評判どおりの左腕の姿に何度もうなずいた。
第1クールで投球をブルペンで見たライバル球団のスコアラーたちは「今永と同レベル」「ベース上で伸びる、キレがある」と高い評価を下していた。多少のリップサービスも含まれているのだろうが、シーズン中の対戦に警戒の色を強めたのは確かだろう。
しかし、ブルペンの投球を終えた本人は「たくさんの人が見ていて緊張もあり、力が入ってしまった。点数でいえば0点」と厳しい自己評価を下し、現状に満足はしていない。東は第2クールでブルペン投球を重ねた後、次は打者を相手にした打撃投手を務める予定だ。期待のルーキーが初のキャンプで着実に歩みを進めている。
文=滝川和臣 写真=BBM