
井口資仁新監督も想定外の事態に頭を悩ませる
1月下旬、深夜に激烈な腹痛に襲われて飛び起きた。トイレに駆け込むと、体が猛烈な寒気に襲われていることに気づく。「まさか、流行の……」。眠れぬまま朝を迎え、イヤな予感を抱えて近所の小児科兼内科医院へ赴くと、小さな待合室はマスクを着けてぐったりした子どもを抱える親御さんたちでいっぱいだった。
幸いインフルエンザではなかった。急性胃腸炎。疲労が蓄積していたところへ体が冷えた、というまさに自己管理能力の欠如を露呈したに過ぎなかったわけだが、インフルエンザが流行しているとは聞いていたものの、実際に目の当りにした病院の待合室の光景はちょっとした衝撃だった。
最下位からの巻き返しを期す
ロッテに、思わぬ敵が立ちはだかっている。そのインフルエンザだ。最初に
江村直也が罹患したという球団ニュースが送られてきたときには、さほど気に留めなかった。しかし、そこから連日のように選手たちが倒れていく。2月12日に石垣市内の病院でインフルエンザA型と診断された新外国人投手
オルモスで、ついに通算7人目の罹患者となった。
まさか選手たちが筆者のように腹を出したまま寝ているとは思えない。チームとしての防護策や選手個人の自己管理といった言葉を軽々しく使うわけにはいかないだろう。思えば昨季、
楽天の
岸孝之もインフルエンザで開幕投手をスキップしている。トップ・オブ・トップスのプレーヤーであっても、罹患するときはしてしまう。いわばアクシデントとも言えるのではないか。
しかし、それがよりにもよって新体制でスタートしたばかりのロッテの頭上に降りかかるとは……。想定外の試練ではあるが、シーズン後に振り返ったとき、「そんなこともあったな」という笑い話で終わるような2018年シーズンの反攻と進撃を期待したいのだ。
文=杉浦多夢 写真=高塩 隆