涌井と二木が並んでブルペン入り

第4クールの初日にそろってブルペンへ入った二木(左)と涌井
いまだ大きな進展がない
ロッテの開幕投手争い。それでも本命・
涌井秀章、対抗・
二木康太という周囲の見方は根強い。最終第4クール初日の2月15日、その2人がそろってブルペンで熱のこもった投球を披露した。
先に投げ始めたのは二木だった。オフから調子をやや崩しており抜けるボールも散見されたが、
小林雅英コーチがときおり掛ける言葉にうなずきながら、一番右のレーンでストレートを中心に80球を投げ込んだ。
二木がブルペンに入ってから15分、涌井が姿を現す。二木の隣りのレーンに入り、やはりストレートをメーンに105球。この春季キャンプに入ってから最多の球数を投じた。左手の動きを何度も確認するなど、まだ調子を上げていく段階であることは間違いないが、
井口資仁監督も「今日は初めて投内連係でサインプレーもやっていたし、ワクに関しては心配していない」と信頼を寄せている。
そして指揮官はこう続けた。「(涌井は)開幕に合わせていると思うので」。一度はメジャー挑戦のために海外FA権を行使し、仕上がり具合もまだ見えてこない部分はあるが、現時点で開幕投手の最右翼であることに変わりはない。
一方、二木は涌井の存在をはっきりと意識していた。「隣りで涌井さんが投げていて意識しないピッチャーはいないと思う。まだ100パーセントには程遠いと言っていたが、それでも強いボールを投げていた」。
自身の開幕投手については、「涌井さんの残留が決まるまではそう言ってくれる人もいたが、まだ自分はそのレベルにはない」と話す。それでも、「1年で特別な試合。ピッチャーである以上、(今年というわけではなく)いつかはやってみたい」と、意欲とあこがれが入り混じったような言葉を口にした。
最下位からの巻き返しを誓うチームにあって、2018年の先発ローテをけん引していくのは誰なのか。3月30日、地元ZOZOマリンでの
楽天との開幕戦で先陣を切るのは誰なのか。ロッテの開幕投手レースはまだ一波乱も二波乱もありそうだ。
文=杉浦多夢 写真=BBM