長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 トマソン[1981-82巨人/外野手]
難しい話はよく分からないが、赤瀬川原平氏らが発見した芸術上の概念を「超芸術トマソン」と呼ぶらしい。芸術ではないが存在が芸術のようであり、その役の立たなさが芸術以上に芸術らしい物を「超芸術」と呼び、その中で不動産に属するものをトマソンと呼ぶということらしい。
これは1981年にドジャースから巨人に入団し、同年リーグ最多の132三振をマークした
ゲーリー・トマソンの三振からインスパイアされ、その概念の名前にしたという。要は、まったく意味のない空振りでありながら、何か意味があるように思えてしまうほど、見事な空振りということだろう。
トマソンは1年目こそ打率.261、20本塁打とギリギリ及第点の数字だったが、2年目は大不振と
藤田元司監督との確執もあり、退団となった。
写真=BBM