長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 スティーブ[1980−85西武/内野手]

西武・スティーブ・オンティベロス
1980年途中、カブスから3年半の契約で西武入り。長打力はさほどではなかったが、勝負強いバッティングで
広岡達朗監督時代の西武黄金時代を支えた陽気な助っ人だ。
スティーブは移動の際、いろいろな髪形で現れたが、別に頻繁に床屋に行っていたわけではない。実は3種類のカツラを使い分けていたのだという(使い分けの基準は不明)。メジャー時代はカツラメーカーのCMにも出演。プレー中もつけ、スライディングの際、カツラが飛んで場内が大爆笑になったこともあったというが、日本ではプレー中はつけていない。
1年目は規定打席には到達していないが、2年目の81年以外はすべて3割超と安定感があった。広岡監督には「一発のない助っ人なんて……」とブツブツ言われることも多かったが……。
写真=BBM