
この年は13勝で最多勝に輝いた
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか紹介していく。今回は3月9日だ。
1997年、10年目にして初めて開幕投手を務めたダイエー(現
ソフトバンク)の
武田一浩が、98年は開幕投手拒否宣言を繰り返していた。
オープン戦は3月9日、
阪神戦(福岡ドーム)が初登板。「今年は投球の幅を広げたから」と新球のシュートを試すなど2イニング32球を投げて、無安打、2三振、無失点のピッチングを披露した。
試合後、当然のように記者たちから2年連続開幕投手への質問が出たが、「もう俺は開幕投手はいいよ。本当にいいんだ」ときっぱり。
前年は開幕投手を「一度はやってみたい」と言いながら、開幕前日のインタビューでは「ここ4、5日、自分が何をしているか分からないときがあった」と初体験の実感を語った。その開幕戦で勝利を飾り、さらに開幕から4連勝したが、以降は9連敗でシーズンを終了。「去年はアレでツキを使い果たしたからもういいよ、ほんとに」と真顔で強い拒否反応を示していた。
繊細で優しい。ただ、照れ屋だから、ぶっきら棒だった。解説者・武田のファンは思うだろう。「今もあまり変わらないな」と。
写真=BBM