
今中、最後のピッチング
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は3月23日だ。
背番号14は、やはりこの男のものだった。3月23日の
中日─
オリックス戦(ナゴヤドーム)の前に、昨年限りで中日を引退した
今中慎二元投手の引退セレモニーが行われた。
1歳の長男から花束を贈られたあとで挑んだ今中は、打者のオリックス・
谷佳知と勝負。すべてストレートで攻め、4球目のマックス110キロの高めのボール球で空振り三振に打ち取った。
「変化球を投げたら失礼だから」と今中。高めの速球にこだわり続けた今中らしいラストボールだった。
17勝して最多勝となった1993年には249回を投げて247奪三振。イニング数も最多、奪三振も最多というパーフェクトな最多勝だった。89年の入団で88年のVは知らず、99年のVのときはわずか5試合登板。優勝とは縁が薄かったが、ドラゴンズ史上に大きな足跡を残した男だった。
写真=BBM